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規 模:木造2階建て
設計・施工:にわとや モリタ
「森の中にいるような住まいにしたい」と
庭の設計までフォローする工務店に依頼。
窓の配置や植栽の関係にまで配慮して
いつも自然を身近に感じられる
開放感たっぷりの住まいとなりました。
植物を育てるのが大好きなので、家づくりと庭づくりを同時にしたいと設計度の自由度が高い工務店に依頼。「にわとや モリタ」は、庭のプロでもある点が決め手となりました。建物の設計・施工はもちろん、外構を含めた住環境のプランニングまでお願いしています。
植物好きの視点で家づくりを考えてくれたので、打ち合わせもスムーズ。植栽で周囲の視線を遮る工夫や、室内のどこからでも緑が見える窓の配置など、プロならではの視点から「自然を感じられる家にしたい」という希望をかなえてくれました。また宅地造成時には、湿度のある土壌環境をつくることで室内温度の上昇を抑えるなど、建物だけでなく、心地よく暮らすための環境を整えてもらい、仕上がりにも非常に満足しています。
敷地に対して斜めに建物を配置したことで、隣家からの視線を外しつつ、十分な植栽スペースを確保。また南と北の2方向に庭を配し、それぞれの庭に向けて大きな窓も設置しています。暮らし中心のとなるリビングの南側には、縁側やウッドデッキを配置しているので、戸外から室内への出入りもスムーズ。プライバシーが確保されたウッドデッキにはハンモックを置き、第2のリビングとして家族で楽しんでいます。
窓には深い軒を設けてもらい、夏場の強い日差しをシャットアウト。冬は温かな自然光が室内の奥にまでさし込むので、年間を通じて気持ちよく過ごすことができます。落葉樹中心の植栽と、圧迫感を抑えた袖壁で外からの視線を遮っているので、日中はカーテンを閉めなくても安心して過ごせる点も気に入っています。
リビングは、屋根裏の構造を現し仕上げに。ウッドデッキの軒との連続性を持たせたことで、戸外を身近に感じられる空間に仕上がっています。南北の窓を開け放つと風が通り抜けて、さらに快適性がアップ。常に明るく、気持ちよく過ごすことができます。
リビングと連続するキッチンは、白を基調にナチュラルなデザインにしてもらいました。シンクに向かうと、リビングを通して玄関土間まで見通すことができます。キッチンの大きな窓からいつも光が入るので、調理スペースが明るい印象に。この窓からは、遠くの緑豊かな山並みを眺めることができます。壁付の作業カウンターは床と同じヒノキ材で揃えて、統一感を出しました。
LDKなどパブリックスペースを広くとった分、寝室や子ども部屋はコンパクトなスペースに。LDKが希望通りの「家族が自然に集まる空間」になりました。
住まいの北側には、広い土間のある玄関を配置しています。LDKとも連続していて、キッチンに立つとこの玄関土間まで見通すことができます。
土間には草花を美しく見せる北向きの庭を隣接。大きなガラスの引き戸を開けると、この庭の眺めがさらに楽しめます。玄関土間と同じ石材を使用しているので、視線が自然と庭へ向かい、戸外にいるような開放的な印象に。夜はライトアップすることで、「月灯りの庭」として家族の目を楽しませます。
また玄関には、造作の靴箱兼ソファも設置。靴の着脱の時はもちろん、近所の方が訪れた時は、ここに腰掛けて気軽におしゃべりをすることができます。時には来客と一緒に庭を眺めて過ごすことも。井戸端会議のような昔ながらの社交の場として、この玄関土間は活躍しています。
家族が集うLDKはもちろん、水まわりや個室にもこだわりました。1階トイレはタンクレスタイプを採用し、さらにニッチを活用してコンパクトな手洗いを配置。壁材に屋外用タイルを採用し、照明を当てて光の陰影を楽しんでいます。
物が増えやすい洗面スペースには、造作の収納家具を置いています。洗面台のミラーに間接照明を設置して、落ち着いて過ごせる空間に仕上げてもらいました。
各室を快適にするために、家族共有のクロゼットを配置。部屋ごとに設置したクロゼットは、家族それぞれが管理するようにしています。メインのウォークインクロゼットはポールを取りつけた「掛ける収納」が中心。また可動式の棚でスペースを有効に活用しています。
収納スペースを充実させたことで、各室の生活感が抑えられ、気持ちよく過ごせる住まいとなりました。
キッチンは天井を下げて奥行き感を演出。大きな開口が採光と風の通り道をつくり、フレームのように緑豊かな山並みを切り取ります。
梁を表しにすることで、木造らしさを強調。色味のやさしい木材をセレクトすることでナチュラルな雰囲気にしました。
1階トイレはタンクレスを採用。ニッチを活用してコンパクトな手洗いを設置しました。屋外用タイルに照明を当てて、光の陰影を楽しめるようにしました。
造作の収納家具でスッキリとしたサニタリー。ミラーの照らす照明が落ち着いた雰囲気を演出します。
植栽バランスは落葉樹7:常緑樹3。夏は葉陰が日差しをやわらげ、冬は葉が落ち、日差しを取り込みます。デッキと縁側は床レベルを変え、リズミカルな印象にしました。
敷地に対して建物を斜めに配置し、道路からの視線を避けつつ、植栽スペースを確保。袖壁は敷地の境界内に配置し、空間にゆとりを持たせました。
※この記事は個人の感想に基づいて制作しております。
写真:渡辺慎一