窓から差し込む
光と庭の眺めで
都市部でも自然が
感じられる暮らしを実現

写真=

東京都世田谷区 Y様邸

規  模:木造2階建て
設計・施工:株式会社テラジマアーキテクツ

都市部の家づくりを得意とする
(株)テラジマアーキテクツに依頼して、
住み慣れた築70年の住まいを建て替えたYさんご夫妻。
戸外が身近に感じられる新しい家での
住み心地と暮らしぶりについてお話を伺いました。

懐かしい庭木はそのまま残し
築70年以上の家を建て替え

以前の住まいは祖母の代から70年も住んでいたため、思い入れがありましたが、老朽化してきたこともあり、建て替えることに決めました。ただ、テラジマアーキテクツさんには大小数百本の庭木はどうしても切りたくないと、庭木の種類と配置を描き込んだ図面を渡してお願いしていました。最大限庭を残すようにプランニングしていただき、うれしかったですね。

建て替え後の1階の親世帯のリビングからは、以前とほとんど変わらない庭の眺めが楽しめます。樹齢70年以上のモチノキはわが家のシンボルツリーとしてそのまま残すため、門扉とエントランスの屋根の一部を木のサイズに合わせて開口してもらいました。

玄関を開けると、目の前に「通り土間」が広がります。建て替え前は母屋と離れがありましたが、2棟の間にあった通路上の庭を再現するように、通り土間を配置しました。室内ではありますが、ちょっとした来客の対応もできる半屋外のような便利なスペースです。

親世帯と子世帯をつなぐ
明るい「通り土間」

玄関は1カ所ですが、「通り土間」で親世帯と子世帯を分けています。庭に面した大きな窓から光が差し込むので、玄関にありがちな暗い雰囲気はありません。

門まわりにある「前庭」と、建物の裏にある「奥庭」をつないでいるのも、この「通り土間」。また、親世帯と子世帯をつなぐのも、「通り土間」です。娘は気軽に「お祖母ちゃんの家に行ってくる!」とこの土間を飛び越えています。

1階は主に母と祖母が暮らす親世帯スペース。以前の住まいの障子や格子などの建具をそのまま内装に生かしたことで、どこか懐かしい雰囲気が漂う、和の空間になりました。またワイドサイズの窓とデッキテラスを設置したので、1階でも明るく、LDKのどこからでも緑いっぱいの庭の眺めを楽しめます。以前の住まいはすき間風が入り、とても寒かったので、「温かい家になった」と母も喜んでいます。

庭に向けて大きな窓を設置
季節の変化がいつも身近に

子世帯は主に2階を中心に過ごしています。隣家が迫っているため南側には窓をつけず、ハイサイドライトで採光を確保。東西に窓を設置しました。

特に庭に面した西側には大きな窓をつけているので、室内で過ごしていてもいつも緑が目に入ります。この窓から庭を見下ろしながら、「そろそろ梅の実を収穫しないとね」と話が弾むこともしばしば。庭でとれた梅を漬けたり、柿の実を干柿にしたりといった季節ごとの作業をすることで、四季の変化がさらに身近に感じられます。子どもを育てていくうえで、こうした作業や毎年の行事を守っていくのは大切なことだと感じています。

コロナ禍で家で過ごす時間も増えましたが、1日家にいると窓からの光で日の動きが感じられ、飽きることがありません。もともと家での時間を楽しむために建て替えをしたので、十分に堪能しています。

床に段差をつけたLDは
家族が自然に集まる空間

リビングとダイニングは連続していますが、少し段差をつけて、スペースにメリハリをつけました。キッチンで調理をしていてもリビングの奥まで目が届き、家族の気配が感じられます。私は料理をすることも、お客さまを迎えるのも大好き。料理をしながらリビングダイニングにいる人と会話ができる点も気に入っています。ほとんど料理をしない夫もなぜかこのキッチンが好きで、気がつくとキッチンに立っています。

リビングの床は、無垢のオーク材を採用。この床は、主寝室や子ども室にもつながっています。少し変化をつけるために、この2部屋は床材を斜め張りにしました。娘は子ども室をとても気に入っていますが、家にいると自然にLDKに家族が集まり、食事をとったり、何かを作ったりしていることが多いですね。以前はよく友人を招いてホームパーティを開いていましたが、今は家族と過ごす時間を楽しんでいます。

屋上でアウトドア生活
第2のリビングとして活躍

建て替えてから4年後に、追加工事を入れて屋上を使えるようにしました。ここにテーブルセットを置いて、気軽に食事もとれるスペースにしています。テーブルは、天板の一部を外すとBBQができるタイプ。火を眺めるのが大好きなので、バイオエタノールの暖炉も屋上用に購入しました。暑い夏の日には日差しを遮るターフを張り、屋上で1日過ごしていたこともあります。また屋上にはコンテナを置いて、スーパーでは買えないような少し珍しい野菜を育て、気軽に収穫してサラダなどに使っています。

リビング前のバルコニーも、アウトドアスペースとして大活躍。ここにテントを張ってキャンプをしたこともあります。母が奥庭にピザ窯をつくったので、庭でピザを焼くことも。部屋からアウトドアスペースに気軽に出入りできるので、家で過ごす楽しみ方もどんどん広がっています。

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