規模:木造2階建て
設計・施工:ほしかわ工務店
ひと目で見渡すことができる
広いLDKは、低い造作棚で間仕切り。
ストレスなく移動できる回遊動線や
あちこちに確保した収納スペースで
家事や子育ての負担が軽減されます。
以前は賃貸アパートに住んでいましたが、高台の角地に新しく家を建てることを決め、依頼先を探していました。偶然友人宅に遊びに行った際、隣家の外観に一目ぼれをしたのですが、どこに依頼したのかがわからず、インスタグラムを駆使してリサーチ。なんとか見つけ出して、「ほしかわ工務店」にコンタクトを取りました。実際にお会いしてみると初対面から会話が弾み、ぜひここに依頼したいと改めて決意。断熱性や省エネ設計など、機能性について重視されていた点も、決め手のひとつです。地元に根付いた工務店なので、土地の特徴や気候風土に詳しい点も、安心感がありましたね。「ザルやおにぎりが似合う家にしたい」という、こちらの抽象的なイメージをしっかり汲みとっていただき、予想していた以上の住まいになりました。
以前から平屋への憧れがあったので、1階LDKは船底天井の広い大空間にしてもらいました。天井はラワンベニヤ仕上げ。壁は調湿性を備えた珪藻土で仕上げ、空間全体がナチュラルな雰囲気です。
この家を建てたのは、南面が道路に面しているものの、人通りや車の往来が少ない閑静なエリア。その特徴を生かして南面に向けて大きな開口部を設け、視界を遮らないフレームインデザインのサッシ「LWスライディング」を設置してもらっています。袖壁の障子を引き出せば、外からの強い日差しも、気になる夜間の視線も遮るので、快適性とプライバシーを確保できました。障子を開ければ窓から市街地を一望することができて、開放感は抜群。土地の特性を熟知した地元工務店ならではの仕事ぶりで、イメージ通りの住まいになりました。
1階は、間仕切り壁のないオープンなLDK。室内ドアもあえて設けず、各スペースを連続させたことで、フレキシブルに使える空間となりました。実は出産を控えて家づくりをスタートしたのですが、プランニングの終盤でお腹に三つ子がいることが判明。それでも、あらかじめ子どもの独立後まで見据えたプランを依頼していたので特に変更はなく、当初予定していた通りの間取りに仕上がっています。
広いLDKには、高さ100cmの造作オープン棚を配置。視線を遮らず、ゆるやかにゾーニングすることで、使い勝手がよくなりました。このオープン棚と間仕切り板でつくった造作ソファは、「おこもり感」のあるTVコーナー。またLDKの一角にはスタディコーナーを配置しています。窓辺をベンチスタイルにすることでつくったスペースも、くつろぎコーナーとして家族に大人気。多目的に使えるスペースをあちこちにつくることで、それぞれが自由に過ごせる居場所ができました。
家全体のスペースにゆとりがあるので、収納も十分に確保してもらいました。玄関にはシュークロゼットのほか、外物置も設置。キッチンには約1.7坪のパントリー、主寝室と2階には約2.2坪の小屋裏収納を設けています。大型収納を4カ所設けているので、家族や暮らしの変化にもスムーズに対応します。
キッチンは、複数人でも作業しやすいⅠ型キッチンに、アイランドカウンターをプラス。キッチンカウンターの天板をダイニングテーブルと同じブビンガ無垢材で仕上げたことで、統一感ある空間に仕上がりました。また、玄関からパントリー、キッチンから脱衣室や主寝室へと最短距離でアクセスできる回遊動線を確保して、毎日の家事もスムーズに。家の中をストレスなく行き来することができるようになり、子どもが3人いる慌ただしい生活でも、「ぐちゃぐちゃにならない」家事動線と収納力を実現しています。
家づくりをほしかわ工務店に依頼する時、「自然の風合いを感じられる暮らしをしたい」と伝えていました。私たちのリクエストに加え、室内の壁を珪藻土で仕上げてもらったほか、玄関ドアや階段の名栗加工など、家じゅうに自然素材や職人技が光る意匠があり、設計士の細やかな配慮が感じられます。また、高性能セルロースファイバーを断熱材として入れたことで、大空間でも夏は涼しく、冬は暖かい住まいとなりました。
わが家は2階建てのプランですが、外観は平屋のような印象。大きな切妻屋根が特徴の住まいです。駐車スペースはオープンになっていますが、玄関ポーチや庭が外から見えないよう、木塀を設置。この木塀の塗装作業に夫婦で参加させていただいたのも、家づくりのいい思い出となりました。
1階は間仕切りのない大空間のLDK。高さ100cmのオープン棚で間仕切りしています。
間仕切りソファとオープン棚で、TVコーナーをつくってもらいました。
南向きの大きな開口部には、特に夜間のプライバシーに配慮して障子を設置。
アイランド型カウンター。写真左手がパントリー、右手は水まわりにつながっています。
窓の高さを床から約30cm上げて、ベンチスタイルのくつろぎコーナーに。
趣きある木塀が外からの視線を遮り、プライバシーを確保してくれます。
※この記事は個人の感想に基づいて制作しております。
写真:渡辺慎一