複雑な間取りを
シンプルに整理
古い家がもつ魅力を
引き出す

長野県長野市 M様邸

規 模:木造1階建て
施 工:松代建設工業株式会社
(設計協力:トベアーキテクト)

職場とLDKをゆるやかにつなげ
家族団らんのひと時が楽しくなる住まいに。
古い家ならではの風情を楽しみつつ
新しい設備やスペースを加えることで
暮らしやすく、豊かな空間となりました。

生活のなかの細々した悩みを
リフォームで解決する

これまで暮らしていたのは、増改築を重ねた100坪超の和風住宅。カメラマンの夫の仕事場も兼ねており、コの字型に庭を囲んだ家の配置や、古い家ならではの落ち着いたたたずまい、風情ある建具などが気に入って購入を決めました。ただ、撮影スタジオとして使うスペースと、家族が集まるLDKが離れているので、コミュニケーションが取りづらいのが悩みでしたね。また、西側のLDKは日当たりが悪くて冬は寒く、せっかくの庭を十分に生かせていないことも気になっていました。

入居してから1年後に、台風による川の氾濫で、床上浸水に見舞われる被害に遭遇。補修工事が必要になったのをきっかけに、今まで感じていた間取りや使い勝手の悪さを解消し、もっと居心地よい家にしたいとリフォームすることにしました。

リフォームするエリアと
不要なエリアを整理する

理想の生活のイメージはありましたが、これまで何度か増改築を重ねていた建物は複雑なつくりで、どう改修すればいい家になるのか、具体的なプランを思い描くことができませんでした。そこで以前仕事でご縁があった「松代建設工業」に相談してみたところ、「家が広くて使われていないスペースを一度洗い出し、暮らしに必要な機能を整理してみましょう」と提案されました。

アドバイスに従い、リフォームするエリアとしないエリアを切り分け、生活空間をコンパクトにまとめてみることで、改修が必要な空間が見えてきました。改修コストや将来的な光熱費の削減についてアドバイスをもらえたのも、非常に助かりましたね。それまで途方にくれていたので、再建への道筋が見えて、夫婦とも気持ちが晴れやかになったのを覚えています。

使っていなかった空間を
日当たりのよいLDKへ

こうして生まれたのが、これまでスタジオへの通路としてしか使われていなかった洋間を改修し、広いLDKへと生まれ変わらせるプラン。新しいLDKは南側の窓から日差しがたっぷりと差し込むので、家のなかで最も居心地よいスペースです。

ここにLDKを配置することで、スタジオとの距離も近くなり、家族団らんの時間も取りやすくなりました。スタジオとLDKとの間は仕切り壁を設けず、観音開きの扉でリビングの延長として使えるプランに。スタジオとキッチンの距離も近くなったので、料理撮影がスムーズになるといううれしいメリットもありました。

スタジオには既存の薪ストーブをそのまま置いているので、家族でこの薪ストーブを囲み、スタジオで過ごすこともあります。個室にこもることが少なく、一緒に過ごすことが多い家族なので、互いの気配がわかるこの間取りはわが家にぴったりです。

庭の様子を眺めながら
過ごせるオープンなLDK

日当たり抜群のリビングは、家族も犬もお気に入りの空間。庭をコの字のように囲むプランです。天気のいい日は窓の近くにマットを広げ、ごろりと寝転んで過ごすことも。南向きの開口には断熱性能の高いサッシ「サーモスⅡ-H」(LIXIL)を採用したので、窓の近くでも外気温を感じず、気持ちよく過ごせます。テレビまわりには造作の本棚を設置して、ソファでゆったり読書を楽しむスペースにしました。

リビングと連続するキッチンは、家族の会話が弾むオープンスタイルで依頼。造作でつくってもらいました。料理を見ながら窓越しに庭の眺めが楽しめる点がお気に入り。床の間だったスペースを収納に改修してもらい、さらにパントリーも新設しているので、使い勝手は抜群です。

快適性と古い家の温もり感が
感じられる住まいに

リフォームを依頼した「松代建設工業」は、古民家のリフォームなどを数多く手がけており、安心感がありましたね。和風住宅ならではのよさを残しつつ、モダンであか抜けたデザインに仕上げてもらえました。新しく生まれたLDKは、あえて元の天井を残したことで、和の風情が感じられる空間に。一部壁をグレーで仕上げたのも、和の空間と相性がよくて気に入っています。外観は既存のデザインをほぼ生かしながら、美しくリフレッシュしてもらいました。

玄関正面にあった居室をランドリーゾーンにして、水まわりの設備は一新。ランドリースペースでは洗濯後の部屋干しや、アイロンがけするスペースもあります。スタジオには事務スペースとスタジオ専用の出入口も確保。古い家の温もり感と、機能性を高める新しい設備を両立させたことで、この家のよさを引き出すリフォームができたと思います。

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