子育てを終え、第二の人生に切り替わるタイミングで建てたのは、
アレルギー体質の妻も健康的に暮らせる木の家。
(株)沢野建設工房は空気環境の安全性へのこだわり、
直接買い付けた木材を伝統的な手刻みで組み上げます。
日々実感している住み心地について、O様夫妻にトコトンうかがいました。
「いつかは自分たちの家を新しく建てたい」と思いつつ、なかなかきっかけがつかめず、実家の離れに住み続けていたO様夫妻。しかし離れは築70年と古く、屋根裏にハクビシンが侵入してしまう被害に困っていました。そして、その影響なのか、奥様はアレルギーによる肌荒れや蕁麻疹の症状に悩まされ、皮膚科通いが続いていたと言います。
二人の息子たちが社会人となり、夫婦二人の暮らしが見えてきたこともあり、消費税が上る前にと重い腰を上げたご主人。沢野建設工房のことは「このあたりでは『沢野さんに頼めば間違いない』といわれるほど名の知れた工務店。木にこだわった家づくりは、地域でも評判なんです」と話します。実は、以前住んでいた離れのリフォームをしてもらったことがあり、誠実な仕事ぶりに信頼を感じていました。
明治期創業の歴史ある沢野建設工房は、石油系接着剤や合板を一切使わない家づくりが特徴です。また、土台には湿気に強いヒノキかヒバのみを使用することで、薬剤による防蟻処理も行いません。造作家具や扉類、収納の中まで無垢の木だけで製作する徹底ぶり。床板を張る際、一般的には床鳴りを抑えるために接着剤を使いますが、あえてそれも一掃しています。「今、社会に求められているのは、高気密高断熱の住まい。でも、密閉度が高いほど新建材から揮発する有機化合物が室内に溜まりやすく、人によっては健康に影響を受けかねません。しかし、そもそも合板や接着剤を使わなければ、そんな心配をする必要はないのです」と営業部部長の中村春樹さん。とはいえ、世に新建材が出回った初期のころは使用したこともあったのだそう。しかし、シックハウスやアレルギーが社会問題として取り沙汰されるようになり、湿気の多い北陸では新建材の耐久性にも疑問があるとして、無垢材による家づくりに舵を切りました。アレルギー源を減らすことの一環として、モデルハウスにはLIXILのタイル「アレルピュア」を導入。アレルピュアは、タイル表面に抗アレルゲン剤が塗布されており、花粉やダニの死骸、猫のフケなどのアレルゲンが触れると働きが抑制されるというスグレモノ。玄関で服についた花粉を払えばアレルゲンの脅威を抑えることができます。
夫妻は、沢野建設工房の木材の供給元である、能登ヒバの製材所見学ツアーにも参加。立派な丸太材や、製材された材木が桟積みされ、天然乾燥されているところを見学しました。「敷地内にはヒバの清々しい芳香が漂っていました」と、ご主人の記憶が蘇ります。材木はここで3年間じっくりと天然乾燥され、木のクセが出切ったところで製材をすることで、建てた後の変形を最小限に抑えているのだそう。木の性質を知り尽くした工務店ならではのこだわりです。構造材にプレカット材は使わず、加工はすべて昔ながらの手刻みで行います。手間と技術を要する貴重な仕事を担当したのは、腕利きの中堅大工2名。夫妻は工事中も毎日のように現場を訪れ、彼らとコミュニケーションを取りながら完成していく様子を見守りました。「あまりに楽しくて、完成が近づくと寂しいような気がしたほど」とご主人。夫妻にとっていい思い出になっています。
暮らしてみた感想を尋ねると、「やっぱり空気がいいですね」と声をそろえる夫妻。家中に漂う木の香りはすっかり慣れてわからなくなってしまったけれど、以前と比べて「よく眠れるようになった」「風邪を引きにくくなった」など、健康的な住環境の効果を感じている様子。何より嬉しいのは、いつの間にか奥様の皮膚科通いが途絶えていたこと。アレルゲンを極限まで減らした家で暮らすことで、心身ともに健やかになったことが実感されています。
O邸は、伝統的な木構造であることを大切にしながらも、長期優良住宅の認定も得た高断熱・高気密住宅。冬は床暖房だけで全身がぽかぽかと温もり、的確な窓の配置によって夏も風通しが良く、「エアコンなしでも涼しく過ごせる」と喜ぶ夫妻です。
ご主人のお気に入りは、リビングから愛車を眺められる中庭。引っ越しと同時に新調したサラウンドで映画を楽しめるオーディオセットも自慢のひとつです。背景の壁に張られたエコカラットが見応えのあるインテリアを作り出し、調湿効果も発揮しています。奥様のためには、料理や洗い物をしながら庭を眺められるように、対面キッチンの前には窓を設けました。ガレージから雨や雪に濡れず家に入れて、すぐパントリーに食材を運べる動線など、家事のたいへんさを軽減する工夫も満載です。トイレの中や階段室も広々してゆとりがあり、板を張りめぐらしてナチュラルな空間に仕上げられています。「トイレの中もいつも爽やかな空気で満たされているから、芳香剤もいりません」と奥様。
「沢野建設工房は、みなさんアットホームな雰囲気でチームワークの良さを感じます。私たちと同じ目線で考えてくれるから、希望を言いやすいのも良かった」と奥様。夫妻が今後の人生をますます充実させていくのに、ふさわしい舞台が整いました。
LDKの一角には小上がりの畳コーナーをつくりました。冬はここにこたつを置いて、まったりするが楽しみ。左手から吊り障子を引き出すとダイニングと軽く仕切ることができ、落ち着いて過ごせます。
明るい対面キッチンは、左手が玄関→ガレージへと通じていて買い物を運びこむ動線もバッチリ。造り付けの家具の扉も棚板もすべて無垢材であることに、室内の空気環境を良くしたいというポリシーを感じます。
客間は格式のある和室に。床の間には銘木があしらわれ、天井板ももちろん無垢の板。インナーガレージに通じる露地風の廊下(左手)は奥様のお気に入り。畳には熊本産の減農薬い草を使用しています。
2階にある個室では、息子さんが帰省の折に過ごします。天井や腰板にたっぷりスギ板を張って温もりのある印象に。フローリングにはナラ材をセレクト。窓からは景色の良さを堪能できます。
2階ホールの一角に備え付けた手洗いコーナー。造作家具もすべて無垢材でつくられています。洗面カウンターなど水がかかるところには、蜜蝋ワックスを塗り込んで撥水性をもたせているそう。
アレルゲンの働きを抑制するタイル「アレルピュア」を玄関の床に採用したモデルハウス「北安田2018モデル」。全体にヒノキが使われており、家のどこにいても特有の爽やかな香りが感じられます。
※この記事は個人の感想に基づいて制作しております。