総評
雪の多いエリアでは外構を舗装だけで終わらせる事例も多いなか、外部空間にも非常にこだわり、シンプルながらも美しくデザインされている。巧みにまとめられた室内のプランも好評で、玄関ホールからウォークイン・クロゼット、リビングへの動線がユニーク。また山形という厳しい自然環境のなかで、ZEHを目指した姿勢が高く評価されており、シェードでの日射遮蔽など細やかな配慮も見られる。
総評
33坪、総2階というシンプルな形の建物の中、楽しくプランが工夫されている点を高く評価したい。性能についてもよく考慮されており、全館空調や太陽熱の利用など、再生エネルギーをできるだけ採用しようという意欲が感じられる。深い軒は冬の日射取得ではマイナスになるかもしれないが、屋根集熱が考えられている点が高評価へとつながった。高い性能を感じさせない素朴さは好感度が高く、楽しそうな雰囲気が伝わってくる。
総評
ダイニングとリビング、それぞれの外部空間とのつながり方に変化をつけ、多様な過ごし方が楽しめる住まいに。収納空間を張り出させることで隣地からの視線を遮り、デッキの快適性を向上させている。2階の窓から梢が見える、シンボルツリーの程よい高さも好印象。LIXILの「建て得バリュー」を使用して太陽光発電システムを設置しており、住まいの性能への高い意識が感じられる。。
総評
かちっとした印象の外観でしっかりと庭を切り取り、プライベートスペースをうまく作ったコートハウス。外観をいい意味で裏切る、明るく開放的な中庭空間が、暮らす楽しみを演出している。建物はZEHに近い性能を備えており、コンセプトがしっかりと計画されている点も高評価。ダイニングキッチンと同じ広さというこの中庭で、楽しく過ごす家族がイメージできる。
総評
施主が20代のご夫婦とは思えない成熟した住宅。水平ラインを基調とした外観は、シンプルな形状ながら素材の変化や凹凸に工夫が見られ、まさに「かっこよい」デザインに。中庭に向けて全開放できる内部空間が、使い勝手がよさそうな印象に仕上がっている。雨や日差しについて配慮された中庭の提案も好印象。自然災害が多い昨今、ハイブリッド給湯器と太陽光発電、蓄電池の設置によってさらに意味のある作品となっている。
総評
1階は賃貸物件、2階を個人住宅に活用した住まい。住居のメインとなる2階に広いデッキを設け、庭の代わりに戸外を楽しめるスペースとしている。帰宅した際、手洗いや着替え、荷物の片づけなどがスムーズにできる動線が高評価。限られたスペースの中で動線がきれいにまとめられており、コロナ禍で大きく変化した生活スタイルに対応している。住まいの気密性・断熱性についてしっかりと取り組んでいる点も評価された。
総評
道路勾配のきつい敷地だが、庭の中に車が納まるようにうまく設計されている。外から玄関を開けた時に坪庭の緑が目に入るよう配慮されていたりと、室内から外を見た時の植栽のコントロールが巧み。外とのつながりを意識した窓の配置が高く評価された。冬期の開口部の日射取得についても配慮されており、吹き抜け部のハイサイド窓を集熱に使うなど、よく計算された丁寧な設計が住まいを快適に仕上げている。
総評
理想的なアプローチの取り方。カーポートの屋根をアプローチまで広げ、建物とバランスよくまとめている。LDKに対して寝室を斜めに配したことで、ユニークなプランに。ウォークインクロゼットを中央に置いて寝室を分けたりと、新しい住まいの形を提案している点も評価された。採光の確保や西日の対策に高い設計力が感じられ、無駄なスペースとなりがちな廊下も、重要なスペースとして機能している。
総評
「うなぎの寝床」状の細長い敷地は南と東に建物が隣接しており、快適な住まいをつくるためには採光・通風の確保などの課題があったが、オーソドックスながら着実な設計プランでうまく解決している。中庭を配置することで閉塞感を解消しており、北側のインナーバルコニーも開放的な印象。中庭のデッキの板材には、施工した職人たちの苦労が垣間見られる。また建物の省エネ対策についても十分に健闘されている。
総評
採光を確保するために、L字型の建物を隣家から飛び出すように配置。十分な自然光を確保した分、日射遮蔽についても考慮されており、L字型の窓に日射遮蔽ブラインドが施工して夏の強い日差しを防いでいる。吹き抜けのハイサイドライトにはキャットウォークを設置するなど、地味なメンテナンス部分にもしっかり取り組んでいる点が高評価。収納スペースについても入念に計画されている。
総評
「ストレスフリーな家族の空間」がコンセプト。帰宅時に玄関を入ってコートやバッグを置き、手を洗うという一連の動作が動線上にスムーズにまとめられており、地味ながらも巧みな動線計画に好感が持てる。「スーパーウォール」を採用した建物は断熱性・気密性についてもしっかり考えられており、ZEHに取り組んでいる点も評価された。住まいの中心にある吹き抜けによって、熱的なデザインが効率よくまとめられている。
総評
オーソドックスでありながら、住み心地のよさそうな間取り。帰宅時に玄関から手洗い場、キッチンへとたどる裏動線と、来客も使える土間空間からリビングへの表動線の切り分けが明確でわかりやすい。玄関土間からリビング、デッキまでのオープンな空間も、建物の高い性能があってこそ快適に仕上がっている。またすべて引き戸にしたという1階は、多様な過ごし方・使い方が期待できる。
総評
設計のテーマ通り、性能と空間の心地よさが両立したバランスのよい設計。設計者が楽しみながら仕事をしている姿勢が感じられる。日射取得や自然光利用もよく考えられており、質のよいパッシブ設計に。外と内との中間的スペースとなったウッドデッキは見るからに心地よく、デッキがせり出した庭も、コンパクトながら快適そうな空間に仕上がっている。ドキュメントがわかりやすく、しっかり作られている点も高く評価された。
総評
設計力が光る魅力的な事例。屋根の骨格から入った設計によって力強い空間に仕上げられている。外に大きく開くLDK空間と、程よく閉じられたプライベート空間を組み合わせたメリハリのある平面計画が高評価に。深い庇による日射コントロールも巧みで、室内に心地よい日差しを取り入れている。採光を確保し、空間を開放的に見せたいという設計者の意図が伝わってくる。
総評
32坪・総2階のコンパクトな住まいに、屋上で思い切り楽しもうという提案をプラス。屋内の間取りもコンセプトに合わせ、プライベートとパブリックがしっかり計画されている。デザイン性の高い建物を、照明をプラスすることで凹凸を際立たせてさらに印象的に演出。建物側面をライティングで際立たせ、意匠性を高めている点も評価された。ルーフバルコニーは外壁の高さにより、外からの視線が絶妙にコントロールされている。
総評
吹き抜けのあるリビングを中心に、回遊性のあるプランで快適な住まいに。無駄な廊下をなくしたという動線が非常にスムーズで、図面を見るだけでも高い設計力が感じられる。また道路側の下屋と斜線が厳しい上屋とのバランスをうまく整え、佇まいも美しい。建物性能についても配慮が見られ、温暖な鹿児島の地域では十分な数値を確保しており、家族が気持ちよく暮らす生活がイメージできる。
総評
年間光熱費「0(ゼロ)」もしくはマイナスの家を目標とした住まいは、ZEHへの取り組みが高く評価された。暖房エネルギーが大きいエリアではZEHの実現が非常に難しいが、北海道でもここまでできるという好例。G3には達しないものの断熱性能は高く、C値も非常に高い。1階だけで生活ができるよう、コンパクトにまとめた平面計画にも好感が持てる。こうした事例が北海道エリアで広がることを期待している。