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東京都で狭小・3階建てを建てるなら|費用相場・法規制・施工事例・工務店|いい家ネット

東京都で狭小地に3階建てを建てる費用相場は、土地を除いた注文住宅で建設費5,131.3万円、土地から購入する土地付注文住宅では建設費3,733.4万円+土地取得費4,269.4万円=所要資金8,002.8万円です(住宅金融支援機構の2025年度調査)。1㎡当たりの建設費は平均42.4万円。本記事では、費用の実額、狭小3階建てで使える東京ゼロエミ住宅などの補助金、そして準防火地域・建ぺい率・容積率・ビルトインガレージの容積率緩和といった法規制まで、すべて一次データ・法令原文の出典つきで解説します。

■目次

  1. 東京都で狭小・3階建てを建てるポイント
  2. 東京都で狭小・3階建てを建てる費用相場と使える補助金
  3. 狭小・3階建てで失敗しない間取り・デザイン選び
  4. 東京都の狭小・3階建て 施工事例
  5. 東京都で狭小・3階建てが得意な工務店・ハウスメーカー
  6. 東京都の狭小・3階建てに関するよくある質問

東京都で狭小・3階建てを建てるポイント

狭小・3階建てとは、限られた敷地面積を上方向に活かし、必要な床面積を3層に分けて確保する住まいです。土地の価格が高く、広い敷地を確保しづらい東京都では、狭い土地を立体的に使うこの形が、一戸建てを持つための有力な選択肢になっています。ただし3階建ては、2階建てにはない建築ルールが関わってくるのが特徴です。ここでは、東京で狭小・3階建てを建てる前に押さえておきたいポイントを5つに整理して解説します。

ポイント1:土地が限られる東京では「立体的に延床を確保する」発想が要になる

東京都の家づくりは、土地の広さより「限られた敷地をどう活かすか」が問われます。東京都の令和7年6月〜令和8年5月の12か月間の新設住宅着工は、総戸数115,274戸のうち共同建(マンション・アパート等)が78,415戸、一戸建てと長屋建てを合わせた「一戸建等」が36,859戸で、共同建が一戸建等の2倍を超えます。土地が細分化された都市部では、そもそも広い敷地の一戸建てを建てられる場所が少ないことがうかがえます。

こうした環境では、狭い敷地でも上に伸ばして床面積を確保できる3階建てが、一戸建てにこだわりたい世帯の現実解になります。たとえば建築面積(建物を真上から見た1階部分の面積)が12坪ほどの敷地でも、3層に積み上げれば延床30坪台の住まいが実現でき、家族の暮らしに必要な部屋数を確保しやすくなります。土地の広さそのものより、「その敷地で何階まで、どれだけの延床を建てられるか」を最初に見極めることが、東京の狭小地での家づくりの出発点です。この「何階まで・どれだけ」を左右するのが、次に挙げる建ぺい率と容積率です。

もっとも、東京の狭小地に建つ住まいがすべて3階建てになるわけではありません。敷地の広さや建ぺい率・容積率に余裕があれば、2階建てでも必要な延床を確保できます。3階建ては「2階建てでは必要な床が取れない」ときに効いてくる選択肢です。まずは希望する延床と敷地の条件を照らし合わせ、2階建てで足りるのか、3階建てが必要なのかを見極めるところから始めましょう。本記事は、そのうえで3階建てを選ぶ場合に押さえるべき点を中心に解説します。

ポイント2:狭小地では「建ぺい率」と「容積率」が住まいの大きさを決める

家の大きさを左右する基本ルールが、建ぺい率と容積率です。建ぺい率は、敷地面積に対して建物を真上から見たときの面積(建築面積)が占める割合の上限で、いわば「その土地に建てられる1階の広さ」を決めます。容積率は、敷地面積に対する延べ床面積(各階の床面積の合計)の割合の上限で、「その土地に建てられる延床の総量」を決めます。どちらも用途地域ごとに上限が定められています。

狭小地でとくに注意したいのが、容積率には「前面道路の幅による制限」がある点です。建築基準法では、前面道路の幅員が12メートル未満の場合、道路幅員(メートル)に住居系の用途地域なら10分の4などの数値を乗じた値も、容積率の上限として別途適用されます(いずれか厳しいほうが適用されます)。狭小地は接する道路が狭いケースが多く、この前面道路幅員による制限が、用途地域で定められた本来の容積率より実質的な上限になりやすい、という関係にあります。土地を検討する段階で、前面道路の幅も合わせて確認しておくと安心です。

ポイント3:東京の狭小地は「準防火地域」が多く、3階建てには2階建てと違う構造ルールがある

東京23区をはじめとする市街地の多くは、火災の延焼を防ぐために「防火地域」または「準防火地域」に指定されています。これらの地域では、外壁の開口部に防火戸などの防火設備を設けること、壁・柱・床などが建物の規模に応じた技術的基準を満たすこと、屋根が火の粉による火災を防ぐ構造であることなどが、建築基準法で求められます。

ここで狭小3階建てに関わってくるのが、「2階建てから3階建てにすると、準防火地域では構造の基準が一段階変わる」という点です。建築基準法施行令136条の2の条文では、準防火地域内で「地階を除く階数が3で延べ面積が1,500平方メートル以下のもの」は、「地階を除く階数が2以下で延べ面積が500平方メートル以下のもの」より前の号(より厳しい区分)に位置づけられています。つまり、同じ準防火地域でも、2階建て・延床500㎡以下と、3階建てとでは、条文上あてはまる技術的基準の区分が異なります。専門的な内容のため、具体的にどの仕様が必要になるかは、必ず設計者・施工会社に確認してください。狭小3階建てを検討する際は、「2階建てより一段丁寧な防火・構造の設計が前提になりうる」と理解しておくとよいでしょう。

ポイント4:耐火・準耐火にすると建ぺい率が加算される緩和もある

防火・準防火地域の規制は制約ばかりではなく、狭小地に有利に働く緩和もあります。「耐火建築物」「準耐火建築物」とは、壁・柱・床などの主要な部分が火災に耐えられる性能を備えた建物のことで、耐火建築物のほうがより高い性能の区分です。建築基準法53条では、防火地域内の耐火建築物等、または準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等に該当する建築物は、指定された建ぺい率に10分の1を加算できると定められています。さらに街区の角にある敷地など特定行政庁が指定する角地等の要件を満たす場合は、10分の2まで加算できます。

準防火地域が多い東京の狭小地では、防火・構造の基準を満たすために準耐火建築物などにするケースが多く、その結果として建ぺい率の加算(=1階の床面積を少し広く取れる)というメリットにつながる場合があります。ポイント3で触れた「一段丁寧な設計が前提になりうる」制約と、この建ぺい率加算という緩和は、いわば表裏の関係です。加算の対象になるかどうかは敷地の指定内容によって変わるため、土地の防火指定・角地指定を早めに確認しておくことをおすすめします。

ポイント5:3階建ての最上階は「夏の暑さ対策」も設計時に考えておく

東京は都市部ならではのヒートアイランドで、夏の暑さ対策が住み心地を左右します。気象庁の平年値(1991〜2020年の30年平均)によると、東京の最も暑い8月は月平均気温26.9℃、日最高気温の平均は31.3℃です。3階建ては、最上階が屋根からの日射を最も受けやすく、暑さがこもりやすいという構造上の特徴があります。

そのため、断熱性能を示す「断熱等級」の高い仕様、日射を反射する遮熱屋根、屋根裏の熱を逃がす小屋裏換気、そして窓の配置・大きさの工夫を組み合わせた暑さ対策が効いてきます。とくに寝室やリビングを最上階に置く間取りでは、天井・屋根まわりの断熱を厚くとることが、夏の快適性に直結します。高気密・高断熱を掲げる工務店なら、この最上階の暑さ対策をどこまで具体的に説明できるかも、実力を見きわめる手がかりになります。

狭小・3階建てのメリットとデメリット(まとめ)

メリット

  • 狭い敷地でも延床を立体的に確保できる
  • 1階をガレージや店舗に活用しやすい
  • 階ごとに用途を分けてゾーニングしやすい
  • 眺望・採光を上層階で確保しやすい
  • 都心の利便性の高い立地に住みやすい

デメリット・注意点

  • 階段が2つ分必要で、上下移動の負担がある
  • 準防火地域では2階建てより構造の基準が厳しくなりうる
  • 構造・防火の基準を満たすぶんコストが上がりやすい
  • 前面道路が狭いと容積率が実質的に制限されやすい
  • 最上階の夏の暑さ対策が必要

※上表は狭小・3階建ての一般的な特徴を整理したもので、特定の費用や数値を比較したものではありません。

出典(本セクション)

  • 住宅着工:東京都住宅政策本部『住宅着工統計』令和8年5月分 https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/about/chousa/juutaku_toukei
  • 建築規制:e-Gov法令検索『建築基準法』 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 /『建築基準法施行令』 https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000338
  • 気候:気象庁『過去の気象データ検索(東京・平年値1991〜2020年)』 https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/nml_sfc_ym.php

※出典の取得日はいずれも2026年7月21日時点です。

東京都で狭小・3階建てを建てる費用相場と使える補助金

狭小・3階建ての費用は、大きく「建物本体(建築費)」と「土地」に分かれます。ここでは、東京都の実額データで全体像をつかんだうえで、面積別の費用の目安、区ごとの土地価格、そして狭小・3階建てで使える補助金を、順を追って解説します。

東京都の費用相場(実額)

住宅金融支援機構の2025年度フラット35利用者調査によると、東京都で注文住宅を建てた場合の費用は次のとおりです。

区分 建設費 土地取得費 所要資金
注文住宅(すでに土地がある場合) 5,131.3万円 ― ―
土地付注文住宅(土地から購入) 3,733.4万円 4,269.4万円 8,002.8万円

※土地付注文住宅の「所要資金」8,002.8万円は、原資料の建設費3,733.4万円と土地取得費4,269.4万円を単純合算した編集部算出値です(原資料に「所要資金」の列はありません)。

すでに土地をお持ちの方は、建物にかける建設費が5,131.3万円前後、土地から探す方は建物と土地を合わせて8,002.8万円前後が、東京都のひとつの目安です。土地付注文住宅では、土地取得費(4,269.4万円)が建設費(3,733.4万円)を上回っており、東京では土地代が費用全体の半分以上を占めることがわかります。ここに、狭い土地で延床を確保できる狭小・3階建ての意味があります。

参考までに、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県を合わせた首都圏の注文住宅(すでに土地がある場合)の平均建設費は4,759.3万円、平均敷地面積は233.2㎡です。これに対し東京都単独の平均敷地面積は151.9㎡と首都圏平均より狭く、限られた敷地で建てられている実態がここにも表れています。

1㎡・1坪あたりの建設費

同じ調査で、東京都の注文住宅の1㎡当たり建設費は、平均42.4万円、中央値39.9万円でした。1坪=約3.30578㎡で換算すると、坪単価は約140.2万円/坪(42.4万円×3.30578=約140.2万円/編集部算出)となります。坪単価は工法や仕様で上下しますが、規模から建物本体費用をざっくり見積もるときの目安になります。なお、土地から購入する場合の1㎡当たり所要資金は東京都で平均76.5万円で、全国平均の48.5万円/㎡の約1.6倍(編集部算出)です。土地代の高さが、そのまま㎡単価に反映されています。

面積別の費用モデル(建物本体)

上記の1㎡当たり平均建設費42.4万円をもとに、延床面積ごとの建物本体費用の目安を試算しました。狭小・3階建てで多い延床20〜35坪を中心に、比較用として都の平均住宅面積の行も併記します。土地代は含まれません。

延床の目安 面積(㎡) 建物本体の費用目安
20坪 約66.1㎡ 約2,803万円
25坪 約82.6㎡ 約3,504万円
30坪 約99.2㎡ 約4,205万円
35坪 約115.7㎡ 約4,906万円
(参考)東京都の平均住宅面積 約36.5坪 120.7㎡ 約5,118万円

※本表は、東京都の1㎡当たり平均建設費42.4万円に各面積を乗じた編集部算出のモデル値です(1坪=3.30578㎡で換算)。狭小・3階建ては構造・防火の基準を満たすための費用が加わりやすく、実際の費用は工法・仕様・敷地条件で変わります。目安としてご覧ください。

「建設費5,131.3万円」と上表の金額の関係

  • 5,131.3万円は、この調査で実際に建てられた住宅の平均住宅面積120.7㎡(約36.5坪/1坪=3.30578㎡で換算・編集部算出)に対する実額の平均です。
  • 上表の20〜35坪の行は、それより小さい延床面積を前提に試算しているため、金額も低く出ます。
  • 上表の最終行(平均住宅面積120.7㎡=約5,118万円)が5,131.3万円とほぼ一致することからも、両者は同じ1㎡当たり単価42.4万円から導かれた整合的な数値であることをご確認いただけます。
  • ご自身の希望する延床面積に近い行をご覧ください。

区によって大きく変わる「土地」の価格

建物本体の費用は都内で大きくは変わりませんが、狭小・3階建てを検討するうえで土地代は最も大きな変数です。国土交通省の令和8年(2026年)地価公示によると、東京都全域の住宅地の平均価格は565,100円/㎡、区部(23区)全域では856,400円/㎡です。区部の変動率は前年比+9.0%で、5年連続で全23区の変動率がプラスとなっています。主要区の住宅地平均価格は次のとおりです。

区 住宅地の平均価格 変動率
千代田区 3,631,400円/㎡ +10.7%
港区 3,013,700円/㎡ +16.6%
渋谷区 1,874,100円/㎡ +11.0%
中野区 782,700円/㎡ +9.0%
練馬区 480,500円/㎡ +6.2%
江戸川区 441,100円/㎡ +5.7%
足立区 410,800円/㎡ +6.3%

都心3区(千代田区3,631,400円/㎡・中央区1,930,000円/㎡・港区3,013,700円/㎡)に対し、狭小3階建ての施工事例が多い城東・城北エリア(足立区410,800円/㎡、江戸川区441,100円/㎡)は、都心3区平均のおよそ7分の1(編集部算出)の水準です。同じ広さの土地でも区によって数倍の差があるため、狭い土地を立体的に使う狭小3階建ては、地価の高いエリアで「延床を確保する」現実的な手段になります。

狭小・3階建てで使える補助金

狭小・3階建ての新築でも、国や東京都、区の補助金を活用できます。とくに東京都の「東京ゼロエミ住宅」は他県にはない手厚い制度なので、順に整理します。

東京都の補助金:東京ゼロエミ住宅(最重要)

東京都には、省エネ性能の高い新築住宅を対象とした「東京ゼロエミ住宅助成金」があります。令和8年度の戸建住宅への助成額は、性能の水準に応じて次のとおりです。

水準 戸建住宅の助成額
水準C 40万円/戸
水準B 160万円/戸
水準A 240万円/戸

さらに、太陽光発電設備を設置する場合は発電出力に応じてkWあたり10万〜13万円(3.6kWまでの場合など)、蓄電池を設置する場合は10万円/kWh(上限120万円/戸)が別途助成されます。対象は都内の新築住宅(戸建住宅・集合住宅等)で床面積の合計が2,000㎡未満のもの、「東京ゼロエミ住宅」の設計確認および認証を受けたものです。申請受付期間は令和8年4月1日〜令和9年3月31日です。狭小・3階建ての新築でも要件を満たせば対象になるため、必ず検討したい制度です。

国の補助金:みらいエコ住宅2026事業

国土交通省の「みらいエコ住宅2026事業」は、省エネ性能の高い新築住宅への補助制度です。補助額は住宅の性能区分で分かれます。

住宅の区分 補助額(新築) 主な対象
GX志向型住宅 110万円/戸 すべての世帯
長期優良住宅 75万円/戸 子育て世帯・若者夫婦世帯
ZEH水準住宅 35万円/戸 子育て世帯・若者夫婦世帯

制度全体の予算はGX志向型住宅で750億円、長期優良・ZEH水準住宅で1,450億円が上限で、第2期の受付期間は2026年5月13日〜12月31日です(ただし、注文住宅のZEH水準住宅は2026年9月30日までと受付期間が短く設定されています)。

なお、補助額には寒冷地(1〜4地域)向けの加算(GX志向型で125万円/戸など)がありますが、狭小3階建ての主戦場である東京23区・多摩東部の市はすべて省エネ地域区分の「6地域」に該当し、この寒冷地加算の対象ではありません。6地域の補助額(GX志向型110万円/戸など)は、全国の一般的な地域と同じ水準です。「東京は温暖だから補助が手厚い(または薄い)」というわけではなく、全国標準の区分にあたる、と理解しておくと正確です。

区の補助金:中野区の木造住宅建替え等助成の例

区ごとに独自の助成制度もあります。一例として中野区の「木造住宅建替え等助成」は、1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された木造在来工法2階建て以下の住宅(耐震診断で一定の評点未満のもの)を建て替え・除却する場合の制度です。助成の条件として「建替え後の住宅が建築基準法に規定する耐火建築物または準耐火建築物であること」が定められており、建て替え後を耐火・準耐火の3階建てにすること自体は要件上排除されていません。助成率と限度額は地域区分で分かれます。

地域区分 助成率 限度額
A地域(防火地域・緊急輸送道路等沿道) 助成対象経費の6分の5 400万円
B地域(整備地域等・新防火地域内) 3分の2 250万円
C地域(その他) 2分の1 150万円

こうした区の制度は、区ごとに要件・金額・受付期間が大きく異なります。補助金は年度ごとに予算・受付期間・要件が変わり、予算到達で早期終了することもあります。着工前に、必ず国・東京都・お住まいの区の最新の公募状況をご確認ください。

出典(本セクション)

  • 費用:住宅金融支援機構『2025年度フラット35利用者調査』集計表(注文住宅/土地付注文住宅) https://www.jhf.go.jp/about/research/loan/flat35/2025.html
  • 地価:東京都財務局『令和8年地価公示 結果の概要(東京都分)』 https://www.zaimu.metro.tokyo.lg.jp/kijunchi/chikakouji/r8kouji
  • 東京ゼロエミ住宅:クール・ネット東京(東京都環境公社)『令和8年度 東京ゼロエミ住宅普及促進事業』 https://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/tokyo_zero_emission_house/tokyo_zero_emission_house_r08_fukyu/
  • 国の補助金:国土交通省『みらいエコ住宅2026事業』 https://mirai-eco2026.mlit.go.jp/
  • 中野区:中野区『木造住宅建替え等助成』 https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/machizukuri/kenchiku/taishin/mokuzojyutakutatekae.html

※取得日:費用は2026年8月22日時点(2025年度集計表の公開日は2026年7月24日)。その他は2026年7月21日時点です。

狭小・3階建てで失敗しない間取り・デザイン選び

狭小・3階建ての住み心地は、限られた床をどう立体的に使うか、そして各階の役割をどう分けるかで大きく変わります。ここでは、代表的な間取りパターン、屋根形状の選び方、必要な土地の広さの考え方、そして予算帯別のイメージを整理します。

狭小・3階建ての間取りパターン3選

狭小地の3階建ては、階ごとに役割を分けて考えると、限られた床を効率よく使えます。代表的な3タイプを紹介します。

1階ビルトインガレージ+居室型の参考間取り断面図。1階にビルトインガレージと個室、2階にLDK、3階に寝室を積んだ狭小3階建てのイメージ

1階ビルトインガレージ+居室型

1階に駐車スペース(ビルトインガレージ)と玄関・水回りや個室を配置し、2階にLDK、3階に寝室を積む形です。前面道路から車を家の中に取り込めるため、狭小地でも駐車場を確保しやすいのが利点です。後述のとおり、ビルトインガレージには容積率の緩和もあります。いい家ネットの東京の事例では、狭小地で2台の並列駐車を叶えたビルトインガレージハウス(ハウステックス/練馬区)のような実例があります。

2階リビング型の参考間取り断面図。1階に個室・水回り、2階にLDK、3階に寝室を配置し、採光とプライバシーを高さで確保するイメージ

2階リビング型(採光・プライバシー確保)

道路や隣家が迫る狭小地では、1階は日当たりやプライバシーを確保しづらい場合があります。そこで、生活の中心となるLDKを2階に置き、周囲の視線より高い位置で採光を取る形が有効です。1階は個室や水回り、3階は寝室として、生活音や採光の条件に応じて各階の役割を振り分けられます。

屋上テラス・スキップフロア活用型の参考間取り断面図。陸屋根の上を屋上テラスとして活用し、階の間に中2階を設けたイメージ

屋上テラス・スキップフロア活用型

陸屋根(平らな屋根)の上を屋上テラスとして活用したり、階の間に中2階(スキップフロア)を設けたりして、限られた延床に「屋外の居場所」や「もう半層分の空間」を生み出す形です。狭小地でも庭に代わる開放的なスペースを持てるのが魅力です。いい家ネットの事例では、屋上とビルトインガレージを備えた3階建て(都市工房/江戸川区)のような使い方があります。

※図はいずれも参考間取りで、実在物件の図面ではありません。

屋根形状の選び方

狭小・3階建ては屋根の形が、屋上活用のしやすさや斜線制限(隣地の日当たりを守るための高さ制限)への納まりを左右します。代表的な形状の特徴を整理しました。

屋根形状 特徴 コスト感 向いている人
陸屋根(りくやね) ほぼ平らな屋根。屋上活用しやすくモダン ★★★(やや高め) 屋上テラスを設けたい
片流れ(かたながれ) 一方向の傾斜。太陽光を載せやすい ★★☆(中) 太陽光発電を検討中
切妻(きりづま) 三角のシンプルな屋根。雨仕舞いに優れる ★☆☆(低め) コストと機能を両立したい

※コスト感は一般的な傾向を示すもので、特定の金額ではありません。

狭小・3階建てでは、高さ制限の中で最上階の天井高を確保しやすく、屋上も使いやすい陸屋根や片流れが選ばれやすい傾向があります。

狭小・3階建てに必要な土地の広さ(建ぺい率別)

建ぺい率は「その土地に建てられる1階の床面積(建築面積)」の上限を決めます。3階建ては1階の建築面積を積み上げて延床を確保するため、狭い建築面積でも延床を大きくできるのが強みです。希望の建築面積(1階部分)ごとに必要な敷地の目安を整理しました。

希望の建築面積(1階) 建ぺい率60%の場合 建ぺい率80%の場合
10坪(約33㎡) 約17坪以上の土地 約12.5坪以上の土地
12坪(約40㎡) 20坪以上の土地 15坪以上の土地
15坪(約50㎡) 25坪以上の土地 約19坪以上の土地

※上表は「建築面積÷建ぺい率=必要な敷地面積」で算出した計算例です(いずれも建ぺい率の定義に基づく算術/編集部算出)。たとえば建ぺい率60%・建築面積12坪なら20坪の土地が目安で、3層に積めば延床は30坪台も狙えます。実際には容積率の上限(延床の総量)や前面道路幅員による制限、斜線制限も関わるため、必ず設計者にご相談ください。なお準防火地域で耐火・準耐火建築物にすると建ぺい率が10%(角地等で20%)加算される場合があり、その分だけ必要な敷地の条件がゆるくなることもあります。

ビルトインガレージと容積率の関係

狭小・3階建てで人気のビルトインガレージには、容積率の面でのメリットがあります。建築基準法施行令2条では、自動車車庫等部分(ビルトインガレージ)は、容積率算定の基礎となる延べ面積から、建築物の各階の床面積の合計の5分の1を上限として算入しない(不算入にできる)と定められています。つまり、狭小地でガレージを設けても、その面積の一定分は容積率の計算に含めなくてよいため、居住スペースに容積率を有効に振り向けられる、という関係にあります。同様に、備蓄倉庫は50分の1、宅配ボックス設置部分は100分の1などの不算入の上限も定められています。適用の可否や範囲は計画によって変わるため、設計者に確認しながら活用しましょう。

価格帯別 狭小・3階建てのイメージ(プラン例)

面積別費用モデルをもとに、予算帯ごとの狭小・3階建てのイメージを3タイプに整理しました。建物本体の費用目安は、いずれも東京都の1㎡当たり平均建設費42.4万円から算出した編集部算出のモデル値です(土地代を含みません)。

タイプ 建物本体の費用目安 向いている家族・使い方
コンパクト(延床〜20坪) 約2,803万円前後 夫婦二人や、都心の利便性を優先したい世帯に。1階をガレージや玄関に、2〜3階を居住空間にまとめた、間口の狭い敷地でも成立しやすいプラン
標準(延床25坪前後) 約3,504万円前後 子育て世帯に対応しやすい広さ。階ごとにLDK・個室・寝室を振り分け、採光やプライバシーを高さで確保した3階建てが実現しやすい価格帯
ゆとり(延床30坪〜) 約4,205万円以上 屋上テラスや2台分のガレージ、二世帯住宅など、狭小地でもプラスアルファを盛り込みたい方に。各階の役割を明確に分け、立体的にゆとりを生み出すプラン

出典(本セクション)

  • 費用:住宅金融支援機構『2025年度フラット35利用者調査』集計表(注文住宅) https://www.jhf.go.jp/about/research/loan/flat35/2025.html
  • 建ぺい率・容積率:e-Gov法令検索『建築基準法』 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 /『建築基準法施行令』 https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000338

※本セクションに出てくる建物本体の費用はすべて、同調査の東京都の1㎡当たり平均建設費42.4万円(坪単価に換算すると約140.2万円/坪・編集部算出)に延床面積を乗じた編集部算出のモデル値です(土地代を含みません)。面積別費用モデルと同じ単価・同じ換算式を使っています。取得日はいずれも2026年8月22日時点です。

東京都の狭小・3階建て 施工事例

いい家ネットには、東京都で狭小・3階建てを手がける工務店の施工事例が掲載されています。延床規模は15坪台から35坪台まで幅広く、建坪7坪(文京区)や15.8坪(葛飾区)といった非常に狭い敷地でも、3階建てにすることで暮らしに必要な床を確保している事例が目立ちます。狭さを逆手に取り、本格ホームシアターのような趣味の空間を組み込んだ事例もあります。<br />
ビルトインガレージ・屋上の活用も特徴的です。ハウステックス(練馬区)の2台並列ビルトインガレージ、都市工房(江戸川区)の屋上&ビルトインガレージのように、ビルトインガレージの容積率緩和や屋上活用を実際の設計に落とし込んだ事例が見られます。<br />
断熱・構造への配慮も随所にあります。江東区の丸山工務店の事例は、狭小地で高気密・高断熱に制震を組み合わせた住まいで、最上階の暑さ対策や、都市部で求められる耐震・防火への意識が実物件にも表れています。<br />
なお事例ページに物件ごとの費用・工法は公表されていないため、費用の目安は本記事の都平均データ(建設費5,131.3万円、1㎡当たり42.4万円・坪単価約140.2万円)をご参照ください。

東京都で狭小・3階建てが得意な工務店・ハウスメーカー

東京都で狭小・3階建てを建てるなら、狭小地・3階建ての施工実績、準防火地域での構造・防火設計の経験、そして対応エリアで選ぶのがおすすめです。<br />
いい家ネットには、東京都で狭小・3階建てを手がける工務店が掲載されています。施工事例で気になった雰囲気の家を手がけた工務店から候補を絞り込み、複数社を比較するのが失敗しない進め方です。

この記事の監修

グッドリビング研究所 所長 冨島英二氏の顔写真

監修:グッドリビング研究所 所長 冨島 英二

LIXIL TH統括部グッドリビング研究所にて、工務店・リフォーム会社が加盟する「Good Living友の会」の運営に携わり、会員企業の経営課題解決を支援している。

監修は家づくり全般に関するものです。本記事の建築基準法・同施行令に関する記述は、いい家ネット編集部がe-Gov法令検索の条文原文にもとづいて事実を整理したもので、個別の敷地・計画に対する可否判断や法的助言ではありません。実際の適用は、必ず設計者・施工会社・所管の特定行政庁にご確認ください。

東京都の狭小・3階建てに関するよくある質問

Q1 東京都で狭小・3階建てを建てる費用相場はいくらですか?

住宅金融支援機構の2025年度フラット35利用者調査によると、東京都で注文住宅を建てた場合の建設費は5,131.3万円(すでに土地がある場合)です。土地から購入する土地付注文住宅では、建設費3,733.4万円に土地取得費4,269.4万円を加えた所要資金8,002.8万円が目安です(所要資金は編集部が両者を合算した値)。1㎡当たりの建設費は平均42.4万円で、坪単価にすると約140.2万円/坪(編集部算出)です。土地から購入する場合の1㎡当たり所要資金は東京都で平均76.5万円と、全国平均48.5万円/㎡の約1.6倍にのぼり、東京では土地代が費用全体を大きく左右します。

Q2 狭小・3階建てで使える補助金はありますか?いくらもらえますか?

あります。東京都独自の「東京ゼロエミ住宅助成金」(令和8年度・新築戸建)は、性能の水準に応じて水準Cで40万円/戸、水準Bで160万円/戸、水準Aで240万円/戸が助成され、太陽光発電(kWあたり10万〜13万円)や蓄電池(10万円/kWh・上限120万円/戸)も別途対象です。受付期間は令和8年4月1日〜令和9年3月31日です。

国の「みらいエコ住宅2026事業」では、GX志向型住宅110万円/戸、長期優良住宅75万円/戸、ZEH水準住宅35万円/戸(長期優良・ZEH水準は子育て世帯・若者夫婦世帯が対象)が補助され、第2期の受付は2026年5月13日〜12月31日です(ただし注文住宅のZEH水準住宅は2026年9月30日までと短縮されています)。中野区など、区が独自に木造住宅の建替え助成を設けている場合もあり、建替え後を耐火・準耐火の3階建てにすることも要件上は可能です。予算・要件は変わるため、着工前に最新情報をご確認ください。

Q3 準防火地域だと3階建ては2階建てより費用が上がりますか?

上がりやすい傾向があります。建築基準法施行令136条の2の条文では、準防火地域内で「地階を除く階数が3で延べ面積が1,500平方メートル以下のもの」は、「地階を除く階数が2以下で延べ面積が500平方メートル以下のもの」より厳しい区分に位置づけられています。つまり準防火地域では、2階建てから3階建てにすること自体が、条文上あてはまる構造・防火の技術的基準の区分を一段変える境界線になっています。そのぶん防火・構造の仕様が丁寧になり、費用に反映されやすくなります。

一方で、準防火地域内で耐火建築物等・準耐火建築物等にすると建ぺい率が10分の1(角地等の要件を満たす場合は10分の2)加算される緩和もあります。具体的にどの仕様・費用になるかは敷地と計画によって変わるため、必ず設計者・施工会社にご確認ください。

Q4 狭小地の3階建てはどれくらいの土地の広さが必要ですか?容積率で何階まで建てられますか?

家の大きさは、1階の広さの上限を決める「建ぺい率」と、延床の総量の上限を決める「容積率」で決まります。3階建ては1階の建築面積を積み上げるため、狭い敷地でも延床を確保しやすいのが特長です。目安として、建ぺい率60%の土地で建築面積12坪(約40㎡)の1階なら、20坪の土地が必要になり(建築面積÷建ぺい率/編集部算出)、3層に積めば延床30坪台も狙えます。

ただし建築基準法では、前面道路の幅員が12メートル未満の場合、道路幅員に住居系用途地域なら10分の4などを乗じた値も容積率の上限になります。狭小地は接する道路が狭いことが多く、この前面道路幅員による制限が実質的な上限になりやすい点に注意が必要です。準防火地域で耐火・準耐火にすれば建ぺい率が10%加算される場合もあります。何階まで・どれだけの延床が可能かは敷地ごとに異なるため、設計者にご相談ください。

Q5 ビルトインガレージにすると容積率で損しますか?

損しにくい仕組みがあります。建築基準法施行令2条では、ビルトインガレージ(自動車車庫等部分)は、容積率算定の基礎となる延べ面積から、建物各階の床面積の合計の5分の1を上限として算入しない(不算入にできる)と定められています。そのため、狭小地で1〜2台分の駐車場を家の中に確保しつつ、居住スペースに容積率を有効に振り向けられます。実際、いい家ネットの事例には狭小地で2台並列駐車を叶えたビルトインガレージハウス(ハウステックス/練馬区)もあります。このほか、備蓄倉庫は50分の1、宅配ボックス設置部分は100分の1などの不算入の上限も定められています。適用の範囲は計画によって変わるため、設計者に確認しながら活用しましょう。

Q6 東京23区で土地価格はどれくらい違いますか?狭小地はどのエリアが現実的ですか?

区によって大きく変わります。令和8年地価公示の住宅地平均価格は、東京都全域で565,100円/㎡、区部(23区)全域で856,400円/㎡(前年比+9.0%)です。区ごとに見ると、都心3区は千代田区3,631,400円/㎡・中央区1,930,000円/㎡・港区3,013,700円/㎡、狭小3階建ての事例が多い城東・城北エリアは足立区410,800円/㎡、江戸川区441,100円/㎡と、都心3区平均のおよそ7分の1(編集部算出)の水準です。同じ広さの土地でも区によって数倍の差があるため、狭い土地を立体的に使う狭小・3階建ては、地価の高い都心部で「延床を確保する」現実的な手段になります。予算と暮らしたいエリアのバランスで検討するのがおすすめです。

Q7 東京で一戸建て(持家)は減っていますか?木造と非木造どちらが多いですか?

3階建てだけに絞った着工戸数は公的統計に区分がなく、公表されていません。そのため「3階建てが何棟建っているか」は数値で断定できません。回答できる事実として、東京都の令和7年6月〜令和8年5月の12か月間の新設住宅着工は、共同建(マンション・アパート等)78,415戸が一戸建てと長屋建てを合わせた「一戸建等」36,859戸の2倍を超えます。構造別では木造43,897戸・非木造71,377戸です。また注文住宅を含む持家は、年度別に見ると5年間で▲24.80%(増減は編集部算出)と減少傾向にあります。土地が限られる東京では、狭い敷地を立体活用する狭小・3階建てが、一戸建てを持つための現実的な選択肢になっています。

Q8 3階建ての最上階は夏暑くないですか?

対策次第です。気象庁の平年値によると、東京の最も暑い8月は月平均気温26.9℃、日最高気温の平均は31.3℃で、都市部はヒートアイランドにより体感がさらに高くなりがちです。3階建ては最上階が屋根からの日射を最も受けるため、暑さがこもりやすい構造上の特徴があります。対策としては、断熱等級の高い仕様、日射を反射する遮熱屋根、屋根裏の熱を逃がす小屋裏換気、そして窓の配置・大きさの工夫を組み合わせるのが効果的です。年間を通した快適性を重視するなら、高気密・高断熱を掲げる工務店(例:丸山工務店/江東区の高気密高断熱+制震の事例)を、断熱性能の説明のわかりやすさで比較してみてください。

あなたの理想の住まいづくりいい家ネットからはじめましょう

東京都で狭小・3階建ての施工実績が豊富な工務店・ハウスメーカーを多数掲載しています。気になる工務店や施工事例から、あなたの理想の狭小・3階建てづくりをはじめてください。

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