工務店がつくるいい家
日当たりのいい広縁で くつろげる住まいに
[S様邸]広島県神石郡 LIXILメンバーズコンテスト リフォーム部門・地域優秀賞受賞作品
部分的なリフォームを繰り返した古い木造の住まいは段差が多く、すきま風や床下からの冷え込みで住みづらい状態でした。そこで開口部を中心に断熱性を改善し、床もバリアフリーに。
既存の梁を表しにして、開放的で風通しがよく明るい住まいになりました。
梁を表しにして光と風を通し、広々と
広島県東部の山間地にある神石高原町は、標高が高く、夏涼しく冬寒い地です。築50年以上の木造住宅に住んでいたSさんは、「冬は辛かった。室内にいても足元から冷え込みに襲われていました」と振り返ります。また、既存の家屋は増改築が繰り返され、随所に段差が生まれて移動のたびに足元が危うい状況でもありました。
そんなS邸のリフォームを手掛けたのは、高屋工務店。60年以上にわたって、伝統的な木造住宅から最新の高性能住宅まで幅広く手掛けてきたビルダーです。
S邸では、まず寒さの解消のために、床下と壁面、屋根に断熱材を入れ、開口部はLIXILのアルミ樹脂複合サッシ「シンフォニー」に交換。リビングには掘りごたつのほか、ご主人の要望でもあった薪ストーブを設置し、暖かくくつろげる空間に仕上げました。
室内で大きなポイントとなったのは、天井を撤去し、既存の小屋組みを表したことです。「現地調査したときに立派な梁があったのでこれは生かそうと思いました」と清水社長。そのため、LDKには大きな吹き抜けが生まれ、南北の高窓から明るい自然光が差し込むようになりました。
Sさんが特にこだわったのは、2間続きの和室の南側にあった広縁です。庭に面して掃き出し窓が並ぶ開放的な空間をより楽しむため、玄関の外壁と同じ面に合わせるように南側に約90cm張り出すように増築し、サンルームのような日だまりを楽しむ場に。
広縁の雰囲気はそのままに、足元には土間を設け、那智黒石の玉砂利を敷き詰めました。その石の感触を足で楽しむため、砂利は樹脂で固定。土間に足を下ろし、広縁に腰掛けて庭を眺める、というくつろぎ方ができるようになりました。「暖かくて気持ちがいいです。ここに座る時間を楽しみたいので、リフォームの後、庭のほうも和風庭園のように造り替えました」と奥様は笑います。
個室・和室以外は、床は杉の無垢板、壁は火山灰を原料とした左官仕上げとし、室内は自然素材の調湿性と特有のテクスチャーで、柔らかな雰囲気に。伝統的な木造住宅にふさわしい、落ち着いた住空間となりました。
ギャラリー
■玄関
床と天井に杉を張り、すっきりと統一感を出した玄関。玄関戸は引き戸のスタイルを踏襲し、以前の雰囲気を持たせています。
■キッチン
北側の壁に向いていたキッチンは、対面式に変更。カウンター下には以前に使用していた食器棚を再利用。吹き抜けとも一体となって、広々と明るいLDKになりました。
■リビング
リビングには薪ストーブを設置。躯体の断熱性が向上したため、火を入れると室内がすぐに暖まります。