工務店がつくるいい家
構造を生かした 吹き抜けで開放的に
[Y様邸]岩手県一関市 LIXILメンバーズコンテスト リフォーム部門・地域最優秀賞受賞作品
築百数十年以上の古い木造住宅は冬寒く、日中も薄暗い状態でした。増改築が繰り返され、ちぐはぐになっていた空間を整理して、動線をすっきりと。しっかりした梁と大黒柱を生かして吹き抜けを設けて開放的にリフォーム。暮らしやすい家に生まれ変わりました。
構造を表しにして広々と。断熱、暖房を改善して快適に
建築後、百数十年は経とうという木造のY邸。ご主人からリフォームの相談を受けたオイカワハウジングの及川京一社長が現地調査したところ、小屋裏には見事な木構造が健在でした。「自然な木材の曲がりや反りをうまく組み合わせていました。この施工を手掛けた大工さんの技をないがしろにしてはいけない。そんな責任感が生まれました。」及川社長はこのように振り返ります。
要望は大きく分けて4点。「マイナス10℃にもなる冬の寒さをなんとかしたい」「キッチンなど水回りを快適にして団らんできる場にしてほしい」「昼間でも照明が必要なほど暗かったので、日差しを取り入れてほしい」「動線を整理して住みやすくしたい」というポイントが挙げられました。
これまでに増改築が繰り返されてきたことで、居室の間には多くの段差があり、動線もつぎはぎの状態に。そこで、北側にキッチンとダイニング、浴室・洗面室をまとめ、日当たりのいい南側に茶の間を移動するプランが提案されました。
既存の梁や大黒柱はそのまま生かしながら、耐震補強のために新しく加えた柱・梁には同系色の塗装を施して、新旧の一体感を演出。耐震性を高めたうえで、立派な既存の木構造は表しにして、大きな吹き抜けが設けられました。
暗くなりがちな北側のキッチンには高窓を設けて採光を図り、地窓を新設して風の通り道も確保。キッチンの上部にはロフトを新設。多目的に使える部屋として活用されることに。また、床下にはスラブヒーターを敷設。蓄熱暖房器も2台設置して、室内を均一に暖房できるようにしました。壁や天井には現場発泡ウレタンを吹き付けて、断熱性も大幅に向上させています。
床は全面に檜の縁甲板張りに。柔らかくもしっかりとした質感で生活の場に温もりを与えてくれています。長いときを経た木造の味わいを大事にしながら、リフォームによって現代の生活に必要な快適性をほどよくプラス。代々受け継いできた住まいに新たな生命を吹き込むことができました。
ギャラリー
■玄関
造作で下足収納を取り付け、すっきりとした玄関。断熱性の高いガラス戸を採用することで、明るさを取り込むことができました。
■茶室
日が差し込まなかった応接室に大きな開口部を設けた茶の間に変更。明るく落ち着く場所に。
■ロフト
吹き抜けの上部は多目的に使えるロフトに。きれいに磨き直し、塗装をかけた木構造が美しく映えます。