工務店がつくるいい家
築20年の鉄骨住宅を 遊び心あふれる住まいに
【型式認定住宅のリノベーション】滋賀県守山市
ハウスメーカーの鉄骨住宅を構造の堅牢性を生かしながら、空間にも過ごし方にも広がりがある住まいに変更しました。
鉄骨2階建てを吹抜けに
鉄骨の梁を生かした吹抜けが印象的なY邸。当初、建てるつもりで土地探しをしていたものの、希望の更地が出てきませんでした。条件が合ったのはハウスメーカーが建てた築20年の鉄骨住宅。メーカーの「型式適合認定」を受けていることもあり、どこまで改修可能なのかが課題でした。
「思い描いていたのは、吹抜けで明るいLDKやスキップフロアのある家。いろいろと制約があるなかで何ができるのか、設計士さんと知恵を絞りました」。自身も大学で建築を学び、リサーチを重ねてきたご主人は、多くの制約に挑むような気持ちだったそうです。
家族から出ていたリクエストは、「急勾配の階段をゆるやかにする」と「部屋数を減らす」など。加えて、確認申請は不要となるプランニングも課題となりました。「確認申請を行うと構造審査も必要となる。構造計算をやり直すとコストや工期にも関わるので、できれば避けたいと思っていました」
確認申請を不要とするには、「主要構造部の過半の改修」をしないことが条件となります。まずは、鉄骨はそのまま生かし、梁や筋交いの一部は現しに。グレーに塗装して空間になじませつつ、デザイン的にも生かしました。
急勾配がネックだった階段は、解体すると「主要構造部の過半の改修」となるので生かす方向で検討。「元の階段の上に、勾配と踏面を変えた新しい階段をかぶせる形に。手すりが板張りなのは、元の階段を隠す役目もあります」。
さらに、階段の途中にスキップフロアを設けたことで、「ゆるやかな階段」と「構造計算を不要とする」課題を同時にクリアしました。堅牢な鉄骨住宅の長所はそのままに、マイナスをプラスに変えた大満足の住まいです。
ギャラリー
■リビング
鉄骨筋交いが間仕切りになっているリビング。元は本棚側が独立した洋室でしたが、壁を撤去して窓からの光が届くようになりました。
■本棚
本棚は「家族の図書館」をテーマに、家族でアイディアを出し合ってデザインしました。
■キッチン
「孤立感のないキッチンにしたかった」と奥様。「リシェルSI」(LIXIL)は立ち上がりのないフラットなデザイン。
■ファミリークロゼット
子供の衣類とご夫妻のオンシーズンの衣類はここに収納します。壁には有孔ボードを採用し、フックで服などをかけられるようにしました。
■パントリー
パントリーはキッチンの横に配置。収納とキッチンはぐるりと回れる回遊性のある動線とすることで、家事の効率もぐんとアップ。
■玄関土間
玄関土間を広くとり、一部をご主人の趣味スペースとして活用。来客時の裏動線としても活用できます。
写真:①以外 渡辺慎一