知っておきたい
建築法規の基礎知識

2016年9月30日

抑えたいポイント

  • 用途地域によって建ぺい率や容積率は異なる
  • 高さの制限が設けられている場合もある
  • 隣の敷地からの距離は最低でも50cm必要
  • 有効採光面積は居室床面積の1/7以上

地域によって異なる基準をしっかりと確認

理想の家づくりのためには、建築にかかわる基本的な法律を知っておくことも大切です。建ぺい率、容積率、斜線制限など、代表的なものについてご紹介します。建築の際は、工務店にご相談ください。

用途地域

一般に、都市部では都市計画の方針に基づいて用途地域が定められ、各種の地域・地区が指定されています。該当する地域の種類によって、建ぺい率や容積率、高さ制限をはじめ、さまざまな法規に関わるため重要です。

用途地域 一般の敷地の原則
建ぺい率(%) 容積率(%)
第1種低層住居専用地域 30.40.
50.60
50.60.
80.100.
150.200
第2種低層住居専用地域
第1種中高層住居専用地域 100.150.
200.300
第2種中高層住居専用地域
第1種住居地域 60 200.
300.
400
第2種住居地域
準住居地域
近隣商業地域 80 200.300.
400
商業地域 200.300.
400.500.
600.700.
800.900.1000
準工業地域 60 200.
300.
400
工業地域
工業専用地域 30.40.
50.60

○建ぺい率

建ぺい率とは「建築面積(建物を真上から見たときの投影面積)の敷地面積に対する割合」を指します。つまり、建ぺい率がわかれば、建築面積の上限を導き出すことができます。都市計画地域内では、建物の規模は法律で定められた建ぺい率以下でなければいけません。

《例》敷地面積100㎡、道路幅員6m、建ぺい率60%、容積率200%の指定を受けている場合の建築面積の算出

100㎡×60%=60㎡

建ぺい率が60%なので、建築面積の上限は60㎡です。

○容積率

容積率とは「建物各階の床面積を合計した延べ床面積を、敷地面積で割ったもの」です。容積率がわかれば、延べ床面積の上限を計算できます。都市計画区域内では、建築面積に対する規制のほか、土地の利用密度を適性にするため、容積率についても制限を設けています。

建物の高さの制限

建築基準法では、道路斜線や北側斜線など、各用途地域に応じてさまざまな高さ制限を設けています。これは防災のため、あるいは日照条件などの、環境保全の見地などからの理由によるものです。制限値を遵守しながらもうまく間取りに生かすことは、よい家づくりのひとつのキーポイントといえます。

○道路斜線

建築物の各部分の高さは、前面道路の反対側の境界線からの距離によって制限を受けます。街の景観を保つための法規です。

○北側斜線

建物の高さは、敷地の北側からも制限される場合があります。これは北側隣地の日照の悪化を防ぐためです。その場合、敷地の北側の隣地境界線から建物の距離によって制限を受けます。

隣地からの距離

用途地域によっては、建物は敷地境界線から1メートルまたは1.5メートル以上離して建てなければならない場合があります。また、民法においては、建物の外壁は敷地境界線から50センチメートル以上離すように定められています。

住宅の有効採光

住宅の居室には窓などの開口部を設けなければなりません。居室床面積の1/7以上の有効採光面積が必要と定められています。ここで注意すべきなのは「窓面積=有効採光面積ではない」という点。同じ大きさの窓でも、周囲の状況や窓の位置によって、有効採光面積として認められる面積が異なる場合があります。

有効採光面積は、以下の方法で計算できます。

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