知っておきたい
団体信用生命保険と
保障特約

2019年2月18日

  • 住宅ローン
  • 保険

抑えたいポイント

  • 団体信用生命保険には機構団体信用生命保険(機構団信)と金融機関等が提供するものがある
  • 機構団信は加入が任意。金融機関等が提供する住宅ローン商品の場合は、加入が必須の場合が多い
  • 既に加入している保険の見直しも必要

家族のために「もしも」に備える

もし、一家の大黒柱がローン返済の途中で死亡、もしくは高度障害状態になった場合、家族がその住宅ローンの返済を引き継ぐのは大変な負担です。

そんな不測の事態に備えるための、「団体信用生命保険」があります。この保険に加入していれば、保険金で住宅ローン残額を清算してもらえるのです。

万が一の場合にも、住宅ローンの返済負担が残らないかたちで遺族にマイホームを残すことが出来ます。

団体信用生命保険には、

  • ・住宅金融支援機構のフラット35に付加できる「団体信用生命保険(機構団信)特約」
  • ・金融機関が独自に提供している住宅ローン商品に付加されている「金融機関等の団体信用生命保険」

の2種類があります。

機構団体信用生命保険(機構団信)には3つのタイプが

機構団信は、フラット35や、そのほかの住宅金融支援機構等の融資を受ける満15歳以上・満70歳未満の人が加入できる特約制度です。

一般の生命保険のように、告知書による健康状態の確認が必要になります。

この機構団信の最大の特徴は、加入が任意となっていることです。

機構団信 には、次の3つのタイプがあります。

1.機構団体信用生命保険(略称:機構団信)
加入者が死亡・高度障害状態になった場合に、保険金で残りの住宅ローンが全額弁済されます。
2.三大疾病保障付機構団体信用生命保険(略称:三大疾病付機構団信)
加入者の死亡・高度障害状態のほか、「がん・急性心筋梗塞・脳卒中」で所定の条件を満たしている場合、残りの住宅ローンが全額弁済されます。
満15歳以上・満51歳未満の方が対象です。
・三大疾病保険金保障条件
【がん】
保険期間中に、所定の悪性新生物(がん)に罹患したと医師によって病理組織学的所見(生検)により診断確定されたとき(所定の悪性新生物には、上皮内がんや皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がんは含まれません。)
【急性心筋梗塞】
保障開始日以後の疾病を原因として、保険期間中に次のいずれかの状態に該当したとき
1.急性心筋梗塞を発病し、その急性心筋梗塞により初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、労働の制限を必要とする状態(軽い家事等の軽労働や事務等の座業はできるが、それ以上の活動では制限を必要とする状態)が継続したと医師によって診断されたとき
2.急性心筋梗塞を発病し、その急性心筋梗塞の治療を直接の目的として、病院または診療所において手術を受けたとき(平成27年10月1日以後の手術が対象)
【脳卒中】
保障開始日以後の疾病を原因として、保険期間中に次のいずれかの状態に該当したとき
1.脳卒中を発病し、その脳卒中により初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、言語障害、運動失調、麻痺等の他覚的な神経学的後遺症が継続したと医師によって診断されたとき
2.脳卒中を発病し、その脳卒中の治療を直接の目的として、病院または診療所において手術を受けたとき(平成27年10月1日以後の手術が対象)
3.デュエット(夫婦連生団信)
連帯債務者である夫婦2人で加入できる保険です。
夫婦の一方が死亡、または高度障害状態になった場合、住宅の持分やローンの返済額等にかかわらず全額弁済されます。
特約保険料は、1人加入の特約料の約1.56倍です。

金融機関のローンは保険の加入が条件

民間金融機関等が提供する住宅ローン商品は、団体信用生命保険の加入が条件であることが一般的。保険料は利用する金融機関等の負担になり、別に支払いをする必要のないことがほとんどです。

このタイプの場合、健康状態が悪く団体信用生命保険に入れないと、住宅ローンの借入も出来なくなる場合がありますので注意が必要です。

病気の不安に備える「疾病保障付き住宅ローン」

住宅ローンを返済している間、大きな病気にかかり、長期の療養を余儀なくされたらどうしますか。長期間仕事が続けられなくなることによる、家計への影響も心配です。

金融機関等の住宅ローン商品には、「病気の保障」をプラスした『疾病保障付き住宅ローン』があります。

『疾病保障付き住宅ローン』は、団体信用生命保険のがん保険・就業不能保険版といえるでしょう。「三大疾病=がん・脳卒中・急性心筋梗塞」、あるいは「七大疾病=がん・糖尿病・心疾患・高血圧性疾患・脳血管疾患・肝硬変・慢性腎不全」や「五大慢性疾患=高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎」にかかり、一定期間中、不就業状態が継続した場合や所定の手術をうけるなどの条件を満たす事で住宅ローンの返済が全額免除される特約の付いた住宅ローンです。

特約保険料は住宅ローンの金利に0.1%〜0.3%程度を上乗せされるのが一般的でしたが、最近では上乗せ金利を取らない金融機関も登場しています。

(執筆:株式会社エフピー研究所
ファイナンシャルプランナー 今野隆文)

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