人生という荒波を
超える味方
「増額返済プラン」

2019年2月18日

  • 住宅ローン

抑えたいポイント

  • 返済額増額サービスでは総返済額を減らすことができる
  • 定額返済プランの場合、返済計画が立てやすく支払い利息を減らすことも
  • 自動的に繰り上げ返済が可能な自動返済・スマート返済プランの利用も便利

ライフイベントに合わせた返済計画が可能に

住宅ローンの増額返済プランとは、指定した期間中、自動的に本来の返済額に上乗せをして多めの返済をしてくれるサービスです。金融機関によって「返済額増額指定サービス」、「定額返済プラン」、「自動返済プラン」などの名称で提供されています。

住宅ローンは何十年という長い期間、毎月継続して返済を続けなければならない支出です。子どもの進学プランの変更や、夫婦の収入の変化など、ライフイベントとともに家計状況は変化していきます。返済にゆとりがある時期、逆に、厳しい時期もあるはずです。

配偶者も働いていて家計運営に余裕があったり、子どもの教育費の負担が本格的にはじまっていないなど、資金をローンの返済にまわせる時期には、返済額を増やすこともひとつの方法です。未来を見据えて、借入残高を少しでも減らすことを考えてみましょう。

【1】「返済額増額指定サービス」… 返済額軽減型
最終の返済日は変更せず、返済の途中で一定の期間、元金返済額を増やすことができるサービスです。
たとえば、全期間固定金利3.0%の住宅ローン2,000万円を、元利均等返済で20年の借入をした場合を考えてみましょう。毎月の返済額は、約111,000円です。これを、「返済額増額指定サービス」を利用して、当初5年間の返済額を29,000円増額して140,000円にしたとします。すると、6年目以降、残りの15年間の返済額は約98,000になります。
20年間の返済総額を比較すると、サービスを利用しない場合は約2,660万円ですが、「利用した場合は約2,600万円。総返済額を約60万円も減らすことができるのです。
【2】「定額返済プラン」… 返済期間短縮型
変動金利型の住宅ローンで元利均等返済を利用している場合に、毎回の返済額を指定できるプランです。
従来の変動金利型では5年ごとに返済額の見直しがありますが、「定額返済プラン」では指定した返済額は最後まで一定のため、返済計画が立てやすくなります。
さらに、通常の返済額より多い金額を指定することで元金の返済に充当される金額が増加するため、返済期間短縮型の繰上げ返済をするのと同様に、支払利息を減らすことも可能です。
【3】「自動返済プラン」「スマート返済プラン」… 返済期間短縮型
「自動返済プラン」は、毎月の返済日に返済口座の残高があらかじめ決められた金額を上回っている場合、そのぶんが自動的に繰上げ返済に充当されるサービスです。指定金額は1万円以上、1円単位で100万円まで自由に設定できます。
「スマート返済」も一定の口座残高を指定しておくことは共通ですが、残高が指定の金額を「1万円以上」上回った場合に、その1万円を含めて上回った金額が自動的に繰上げ返済に充当されるサービスです。

変動金利型のローンを利用している場合、返済額を増額するプランは、金利が上昇した際の備えになります。また、固定金利型の場合は、期間短縮型の増額返済プランを利用することで、返済利息の総額を軽減することができるのです。

返済額軽減型の増額返済プランでは、増額期間後の毎月の返済額の負担を減らせるため、収支の大きな変動に対応しやすくなります。無理のない家計の運営を意識して、返済プランを選択することが大切です。

(執筆:株式会社エフピー研究所
ファイナンシャルプランナー 今野隆文)

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