子どもの頃につくった秘密基地。夢中になったかくれんぼ。
囲われた小さな居場所は、不思議と落ち着きをもたらしてくれます。
隠れ家のような場所で一人でリラックスするのもよし、親子で親密に過ごすのもよし。
住まいの中に、小さな隠れ家をつくるアイデアを紹介します。
小さな子どもの目配りができるオープンなLDKの中で
おこもり感のある居場所をつくるアイデアはある?
ちょっと奥まった場所をつくってベンチにするのはどう?
読み聞かせや読書に重宝するよ
借景を活かして眺めのよい部屋をつくりたいデス
窓辺で気持ちよく過ごすアイデアはありマスか?
窓にベンチを造り付けて腰掛けられるようにするのはどうだい?
窓辺が自分だけの特等席になるのさ
眺めのよい窓辺で、ゆったりとくつろぐのは何よりの贅沢。
こちらの実例は、2階の子ども部屋に公園の借景を活かす大きな窓を設け、さらにベンチを造り付けて、窓辺を特別な場所にしています。
緑を独り占めできる小さな隠れ家のようなスペースは、幅約1.3m×奥行き0.9m。
囲われた空間に身を置くことで、何かに守られているような安心感を得られます。
座椅子と組み合わせてここをデスクとして利用することも可能なので、使い方が広がりますね。
窓は額縁のように風景を美しく切り取り、シンプルな白い壁が緑をみずみずしく引き立てます。
壁材には調湿性・消臭性にすぐれた珪藻貢石と十和田石を配合しており、五感で心地よさを感じられる居場所となっています。
個室に独りでこもらずに、リビングで家族と過ごしながら
自分だけの時間をもつにはどうしたらいいデスか?
リビングの一角にヌックをつくってみよう!
ベッドマットを置いたらお昼寝もできるよ
ヌックという言葉をご存じですか?
スコットランドの「ヌーク(neuk)」が語源で、小ぢんまりとした心地よい居場所を意味します。
こちらの実例では家族みんなで過ごすLDKを広々と設け、その一角に奥まったスペースをデザインし、隠れ家のようなヌックをつくりました。
ヌックはベッドマットがちょうど納まるサイズで設計。リビングにいる家族とほどよい距離感を保ちながら、寝転んで読書をしたり、そのままお昼寝をするなど、気ままに過ごすことができます。
わずかながらに、ヌックの床の高さをリビングから上げていることもポイント。扉のないオープンな居場所でありながら、わずかな段差が囲われ感を強調しています。
さらにリビングとは仕上げも変えて、壁をタイル貼りにしてカフェのような雰囲気に。
棚や収納も造作して、使い勝手のよさも両立させています。
リビングを吹き抜けにしたいけれども、
フロア全部を高くするのももったいないよね
スペースを楽しく有効利用する工夫を教えて!
天井が低くてこもれるロフトをつくってみるのはどうだい?
趣味室やスタディスペースなど幅広く使えるのさ
リビングを吹き抜けにした場合、高さを利用してロフトをつくると空間が有効利用できます。
こちらの実例では、リビングを開放感ある4mの吹き抜けにして、ハシゴを上がった先の中2階にロフトを設けました。
天井高さを低く抑えたロフトは、まるで秘密基地のよう。おこもり感がたっぷりで、好きなことに集中できます。
現在は趣味室として使っていますが、リビングからも目が届くほどよい距離感なので、子ども部屋やスタディスペースにすることも可能。
こうしたコンパクトな空間があると、気分転換に役立つだけでなく、家族の変化にも柔軟に対応できて重宝します。
小さな居場所があると、リビングのような広い場所とメリハリがつき、暮らしに味わい深さが加わります。
暮らしを楽しくする小さな居場所をつくるアイデアは、多種多様。
コーナーを上手に使ったり、窓と家具を一体化させてみたり、高さを利用するなど、
住まいのタイプにあった隠れ家づくりを、ぜひ楽しんでみてください。
広々としたスペースも気持ちが良いものですが、囲われた小さな居場所には、そっと包まれているような心地よさがあるものです。
こちらの実例は、リビングの一角に隠れ家のようなコーナーベンチを設けたケース。
造作したテレビボードと連続したL字型になっており、来客時はテレビボードも椅子代わりに腰を下ろせるすぐれものです。
そしてベンチでは、ふだんは絵本の読み聞かせをしたり、ゆっくり読書を楽しんだり。
コージーな囲われ感を演出しているのは、袖壁と低めに設けた天井。ただし個室として仕切られているわけではないので、ダイニング・キッチンの家族の気配を感じることができます。
壁に張ったオーク材も、居場所にぬくもりを添えています。
(株)サンプロ(長野県塩尻市)