三世代にわたる想いを

細部に至るこだわりと
職人の技で継承

【四季を楽しむ家】福岡県京都郡

LIXILメンバーズコンテスト

リフォーム部門・大賞受賞作品

家族構成:夫婦

構造:新在来木造工法

規模:地上2階建て

延床面積:143.18㎡

設計・施工:星和住研 株式会社

  • リフォーム
  • 古民家再生
  • 耐震補強

長年にわたり受け継いできた住まいだから簡単に取り壊したくない。この先も継承しながら暮らしていけたら―。こうした想いから、あえてリフォームを選択するケースがあります。「四季を楽しむ家」も、そうしたお施主さまの想いを形にしたリフォーム事例です。

見えない部分にもこだわり、
職人の技で適切な改修を

ご夫婦が暮らすのは、三世代にわたり住み継いできた築53年の住宅。構造躯体には奥さまのおじいさまが所有していた山から伐り出した木材が使用されるなど、お施主さまにとっては三世代の記憶と物語が詰まった、かけがえのない住宅でした。いくつかの会社にリフォームを相談したものの、「建て替えた方が安い」という提案ばかり。唯一、お施主さまの想いを受け止めてくれたのが星和住研だったと言います。

住宅をフルスケルトンの状態にしてみると、構造躯体は50年以上が経過してもなお、凛とした姿を保っていました。ただ、3〜4㎝ほどの傾きが生じていたため、必要な部分の基礎を補強した上で躯体をジャッキアップして傾きを修正。その後、耐震補強と吹き付けによる断熱施工を施し、開口部には優れた断熱性能を誇る「サーモスX」を採用するなど、見えない部分にもこだわり、住まいの快適性を高めました。古民家再生も数多く手掛ける星和住研の技術力が生かされています。

リフォーム前の間取りは、南側に和室があり、北側に水まわりが集中する昔ながらの中廊下型でしたが、現代のライフスタイルに合わせて、リビングと仏壇がある和室を中心とした回遊型の間取りに変更。「家事負担を軽減する間取りに」という奥さまの希望をかなえました。和室の上部にあった空間はロフトとして活用し、庭の竹林を眺めながら仕事や読書が行える書斎として利用するなど、快適で使い勝手のよい現代風の住まいへと再生しています。

建具や造り付けの家具もすべて星和住研の職人による手作り品が採用されているのもポイント。工事中もお施主さまと相談しながら、1㎝、1㎜に至るまで微調整が加えられたそうです。

「和」を感じつつも、モダンで洗練された住空間に再生された「四季を楽しむ家」。時を経ても色あせることなく、次世代へとつながれていくことでしょう。

リビングは吹き抜けにより開放感を演出。「和」を感じつつもモダンで洗練された住空間になっています。

暗くて閉鎖的だったキッチン空間を一新。既製品のキャビネットの扉も造作し、全体の空間デザインとの調和を図っています。

■浴室

外の緑を楽しみながら入浴できるよう、浴室にたっぷりの開口部を設けました。

■玄関

玄関脇の火灯くぐりも職人による造作。左官職人の技が光ります。

■書斎

和室の上部空間をロフトとして活用。庭の竹林を眺めながら落ち着いた時間を過ごすことができる書斎スペースになっています。

■外観

築53年の住宅をフルスケルトンにし、現在の水準の住宅に再生しました。

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