[ゲストをもてなす木の家]長崎県南島原市
LIXILメンバーズコンテスト
新築部門・準大賞受賞作品
家族構成:夫婦+子供3人
構造:木造在来工法
規模:3階建て
延床面積:146.57㎡
設計・施工:株式会社 浜松建設
「ゲストをもてなす」というコンセプトのもと、どこからでも庭が見えて室内に居ながらにして開放感を味わえるように設計されました。島原半島の豊かな自然と調和し、もてなしの心が宿る木の家です。
本宅の近くに来客を迎え、パーティを楽しめる家が欲しい。そんな建て主の要望を受け、浜松建設が提案したのは、周囲の里山に分け入ったかのような豊かな植栽に囲まれた住まいでした。
細長い敷地形状をアプローチ、オープンなLD、中庭、プライベートルームと奥に進むほどプライバシーが守られるようにゾーニング。東西を貫く動線を軸にして、各ゾーンの視界と空間が切り替わっていくように設計されました。
前庭にはピザ窯をしつらえた離れの小屋を設置。屋外で食事を楽しむことも可能です。
玄関を抜けると、勾配天井のリビング・ダイニングがダイナミックに出迎えてくれます。天然漆喰と杉の無垢材の床で構成された室内は、自然素材ならではの柔らかな質感に包み込まれ、誰もがリラックスできる空間となっています。
窓の配置には特に気を使い、自然光の取り込み方、風の通し方の工夫が設計に反映されました。どこからでも周囲の緑が眺められるように配慮され、庭、リビング、ウッドデッキが一体となり、開放的な室内に。
2階はコンパクトな2つの個室。東側の個室には吹き抜けがあり、3階の小屋裏部屋へと続く柱が据えられました。まるで登り棒のようで遊び心が刺激されます。
3階は、開放的な1、2階とうって変わって天井の低い、小屋裏部屋と書斎に。書斎の窓からは、島原半島の象徴的な存在である雲仙普賢岳と向き合うことができます。
日中は自然光を生かし、夜は最小限の照明でくつろぐ。室内にいながらにして山の姿をのぞみ、有明海からの潮風を感じ、島原半島の雄大な自然に寄り添う暮らしの形がそこにはあります。
どこからでも庭が見え、どこにも行かず、この家にいるだけで食事も睡眠も入浴もすべてがゆっくりと満喫できるような家になりました。