水盤と木々と陽光を
コの字のプランに取り込み、
青森の豊かな自然と共生。

五感で慈しむ
水庭の住まい

[四季の家]青森県むつ市

LIXILメンバーズコンテスト2014

新築部門・準大賞受賞作品

家族構成:夫婦+子供2人

構造:木造軸組

規模:2階建て

延床面積:149.16㎡

設計・施工:有限会社 松浦建設

  • 新築

住宅地の中で求められたのはプライバシーを確保し、自然に開かれた住まい。水盤の中庭をコの字に囲い込む間取りは、豊かな自然を受け入れ、家族の心を癒す空間に仕上げられました。

四季折々の眺めが水盤の中庭を通して家族の暮らしの場面を豊かなものに

建て主のご主人が要望として挙げたのは、「プライバシーを確保して、自然に開かれた住まい」ということと、「子どもの未来を大事に考えたい。家族がいきいきと暮らせるような、末永く色あせない家にしてほしい」ということでした。

自然を暮らしに取り込むための手段として松浦建設が考案したのは、建物をコの字に配置し、植栽と水盤を中庭として組み込んだプランです。ダイニング・キッチン、リビング、ファミリースペースは一体感のあるワンルームに。水盤のある中庭に向けて掃き出し窓を連続させることで、四季折々の景色とともに生活が営めるように計画されました。

水盤は風によるさざ波を浮かび上がらせ、日差しを反射して室内に届けるほか、夏には気化熱で気温を下げ、涼風を呼び込むという機能も果たします。

室内では、床にオークの無垢材を張ったほかは、LDKの壁・天井をシナ合板、それ以外の居室はビニルクロスとし、コスト調整。その分、ダークブラウンをベースにカラーコーディネートして、空間全体をシックな雰囲気にまとめました。

室内がやや暗めの色調になることで、差し込んだ日差しがより鮮やかに感じられ、仕上げ材の質感がぐっと引き立ちます。また、窓の外の景色もより明るく、鮮明に映えるという効果も発揮。

外観は、積雪地域でよく採用される陸屋根ではなく、「家らしさ」を感じさせる切り妻に。そのため、屋根材には無落雪用の屋根仕上げとしました。軒の深い大屋根は、シンプルなフォルムの建物に頼もしい安定感を与えています。

玄関では意匠的に角材をあしらったり、ファミリースペースの天井材を幾何学的なデザインを施したり、アーティスティックな工夫も随所に施されました。

単なる生活の場というだけでなく、住まう家族の感性を育むという役割も果たす空間。この地、この家族ならではの家として、きっと大切に住まわれることでしょう。

シンプルな切り妻の外観は、住宅地の中でも違和感のないデザイン。

ダイニング・キッチン、リビング、ファミリースペースがひと続きに。水盤の中庭を囲い込むことで屋外の開放感を取り込みました。

東南側から見た外観。右手の棟にかかっている庇は和室外側の濡れ縁のためのもの。濡れ縁は光も風も通り、物干し場に。

■玄関

奥のファミリースペースを通して中庭まで視線が抜ける玄関。玄関ホールの吹き抜けには、構造材に使われた角材が意匠としてあしらわれました。

■リビング

中庭に面し、開放感のある室内。正面のテレビ台の裏には明かり取りのスリット窓が設けられました。

■中庭

ファミリースペースから見た中庭。新緑、紅葉、雪景色と四季折々の眺めを楽しむことができます。

■和室

リビングとは中庭を隔てた棟にある和室。天井には高窓を配し、障子越しに自然光が降り注ぎます。

■ファミリースペース

ファミリースペースは置き畳を配した床座の場。天井にはスクエアな板仕上げをあしらい、モダンなテイストでアクセントを加えています。

■2階個室

2階の個室はシンプルな空間。多様な目的に使えます。

設計・施工

有限会社 松浦建設
青森県むつ市柳町4-12-25

青森県むつ市は下北半島に位置し、陸奥湾と津軽海峡に面する本州最北端の市。豊かな自然に恵まれていますが、11月下旬から4月上旬まで雪に覆われる寒冷地でもあります。松浦建設は、そのような地域に根ざし、長年にわたり家づくりに取り組んできた工務店です。

目指しているのは「強く、美しく生きてゆく家」。これまでの豊富な経験に裏打ちされた高い設計力、提案力、施工力をベースに、家族の夢や希望をしっかりと受け止め、具現化しています。

松浦建設様で設計を担当する松浦良博専務は、「各地域に今なお残る古民家は厳しくも豊かな東北の風土と向き合い、その地に暮らす人々の知恵や工夫、想像力が反映されています。こうした伝統を尊重しながら、性能面でも意匠面でも、世代を超えて普遍的に豊かな心持ちで住まうことができる家をご提案したい」と考えています。

掲載:2016年1月

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