[四季の家]青森県むつ市
LIXILメンバーズコンテスト
新築部門・準大賞受賞作品
家族構成:夫婦+子供2人
構造:木造軸組
規模:2階建て
延床面積:149.16㎡
設計・施工:有限会社 松浦建設
住宅地の中で求められたのはプライバシーを確保し、自然に開かれた住まい。水盤の中庭をコの字に囲い込む間取りは、豊かな自然を受け入れ、家族の心を癒す空間に仕上げられました。
建て主のご主人が要望として挙げたのは、「プライバシーを確保して、自然に開かれた住まい」ということと、「子どもの未来を大事に考えたい。家族がいきいきと暮らせるような、末永く色あせない家にしてほしい」ということでした。
自然を暮らしに取り込むための手段として松浦建設が考案したのは、建物をコの字に配置し、植栽と水盤を中庭として組み込んだプランです。ダイニング・キッチン、リビング、ファミリースペースは一体感のあるワンルームに。水盤のある中庭に向けて掃き出し窓を連続させることで、四季折々の景色とともに生活が営めるように計画されました。
水盤は風によるさざ波を浮かび上がらせ、日差しを反射して室内に届けるほか、夏には気化熱で気温を下げ、涼風を呼び込むという機能も果たします。
室内では、床にオークの無垢材を張ったほかは、LDKの壁・天井をシナ合板、それ以外の居室はビニルクロスとし、コスト調整。その分、ダークブラウンをベースにカラーコーディネートして、空間全体をシックな雰囲気にまとめました。
室内がやや暗めの色調になることで、差し込んだ日差しがより鮮やかに感じられ、仕上げ材の質感がぐっと引き立ちます。また、窓の外の景色もより明るく、鮮明に映えるという効果も発揮。
外観は、積雪地域でよく採用される陸屋根ではなく、「家らしさ」を感じさせる切り妻に。そのため、屋根材には無落雪用の屋根仕上げとしました。軒の深い大屋根は、シンプルなフォルムの建物に頼もしい安定感を与えています。
玄関では意匠的に角材をあしらったり、ファミリースペースの天井材を幾何学的なデザインを施したり、アーティスティックな工夫も随所に施されました。
単なる生活の場というだけでなく、住まう家族の感性を育むという役割も果たす空間。この地、この家族ならではの家として、きっと大切に住まわれることでしょう。