中庭に向けて開放的な空間に。
細やかな採光・通風の工夫が図られた

居心地のいい
コンパクトハウス

[セミコートハウスの家]広島県福山市

LIXILメンバーズコンテスト2014

新築部門・大賞受賞作品

家族構成:夫婦+子供

構造:木造軸組

規模:2階建て

延床面積:108.78㎡

設計・施工:Tamada工房 株式会社

  • 新築

決して広くない床面積ながら中庭に向けて開放的に設計することで、明るく広々とした空間に。
開口部の配置や天井高などの工夫によって風の流れや自然光の陰影を感じ、自然との調和を味わえる住まいになりました。

コンパクトにまとまった生活空間で中庭の開放感を味わう暮らしを実現

間口9.8mに対して奥行きは約23m。そんな細長い敷地での家づくりにあたって、Aさん夫妻は「プライベートな空間を大事にしたい」「自然環境を感じて暮らしたい」という要望を持っていました。

しかし、間口に対して奥行きの長い敷地では、どうしても中間部分での通風・採光が制限されてしまいます。そこで、中庭を設け、その回りに居室を配置するというセミコートハウスのプランによって、外部の開放感を生活空間に取り込もうとしました。東側に隣地の建物が迫っていたため、中庭は西に向けてコの字型に開くことに。

西側を塀で囲って外からの視線を遮り、中庭に庭木を配することで自然とも触れ合うことができるようにしました。そんな中庭に自然光を導くため、南向きの屋根は緩勾配として、軒高を低く設定。将来、下屋にもソーラーパネルを設置することを想定した片流れの形状に。

開口部の配置は南北方向をメインにして、東西方向は隣家の窓と重ならないように高さを調整。また、上下階での風の流れを考慮に入れ、家全体で自然な通風が図れるように計画を検討していきました。

玄関アプローチは、道路に面しているため、開口部を減らして閉鎖的に。しかし、玄関に入るとその正面に大きなFIX窓があり、そこから中庭の景色がダイナミックに広がります。

中庭に沿った通路を進むと、キッチン、ダイニング、リビングが連続した空間へ。キッチンから物干し場まで水回りの家事動線は一直線につながりました。

「必要なものと必要でないものを明確にしてほしい」という要望を受け、無駄な動線、不要な意匠をそぎ落として、シンプルな設計に。コンパクトな空間の中のあらゆる部位に理由と意図が込められた「セミコートハウスの家」。家族の心と暮らしをさりげなく支える住まいとなりました。

軒の水平ラインを強調した外観。軒の出、妻の出を深くしたことで外壁や開口部が汚れにくくなっています。

リビングの南側は吹き抜けとなっており、上下階をつなぐ風の通り道として機能。2階の窓からの光は、1階のリビングにも降り注いでいます。

通路に設けられたデスクコーナー。机の板が設置されただけのシンプルなつくりですが、吹き抜けに面することで、視界が外まで広がり、閉塞感が解消されています。

■玄関

収納を壁面に納めてすっきりとした玄関に。引き戸を開けると、南の明るい日差しが入ってきます。

■リビング

リビングでは北の地窓から中庭へ風が抜けていきます。

■物干し用のデッキ

玄関横には物干し用のウッドデッキが設けられました。木の格子が巡らされ、視線をカット。風通しがよく、日差しも入るため、洗濯ものもよく乾きます。

■和室

和室は、家族の昼寝や来客用の寝室など多目的に利用できます。様々な用途に利用できるように、必要最小限のしつらえに。

■寝室

2階の寝室は吹き抜けに面して引き戸を設けて、南からの日差しと中庭の眺めを取り込んでいます。コンパクトな部屋ですが、外への広がりを感じられます。

■階段

「建築的に不要な線を消したい」という要望で、階段部は段鼻とささらを消した納まりに。美しいラインが室内に浮かび上がりました。

設計・施工

Tamada工房 株式会社
広島県福山市南蔵王町5-10-6-2F

Tamada工房では、光の取り入れ方や風の流れ、空間の奥行きや意匠、生活動線など住まいに関わる数多くの要素に配慮を巡らせ、綿密なヒアリングを経て最適のプランを提案する、オリジナルの設計力に自信を持っています。

プランニングの際にまず考えるのは「お客様が何を想っているのか?」ということ。施主の頭の中にある形をヒアリングで引き出し、それにスパイスを加えてすばらしい空間を創りあげています。

要望をヒアリングし、設計から全てを図面化するまでに約5か月の期間がかかります。そして施主が納得するまで着工しません。このようにこだわりの設計、施工に誇りを持ち、妥協せずに家づくりに取り組むため、手掛けるのは年間18棟まで。オンリーワンの住空間を生み出すビルダーです。

掲載:2015年11月

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