築120年の古民家を改築。
古材の風合いを生かしながら

現代的なデザイン性と
快適性をプラス

[住み継ぐ家]島根県出雲市

LIXILメンバーズコンテスト

リフォーム部門・大賞受賞作品

家族構成:夫婦+祖母+母+子ども2人

構造:在来木造

改装床面積:271.95㎡

設計・施工:株式会社 御船組

  • リフォーム

江戸時代から建っている古民家を受け継いで、4世代6人家族の住まいに。歴史が醸し出す古材をできる限り活用し、小屋組を室内に取り込むことで広々と。通風・採光を改善し、耐震補強も実施。世代を超えて住み継ぐ家となりました。

水回り設備を一新。照明や収納、動線も改善して居住性を向上。

江戸時代から建っているという古民家を受け継いだSさん夫妻。その時点では誰も住んでいなかったそうですが、「この家にみんなで暮らしたい」というお母様の思いを受け止め、お祖母様とお母様、Sさん夫妻と2人のお子様という4世代同居の住まいとして、リフォームすることになりました。

しっかりとした構造材が健在で、代々のお手入れが行き届いていたこともあり、その風合いを大事に生かしながら、現代的な居住性を持たせるように計画することに。

間取りは昔ながらの田の字型。和室がいくつもあり、奥へ行くほど光が届かず、また天井高も低いため、閉塞感のある室内となっていました。そこで、物置となっていた小屋裏の床を撤去して、梁をむき出しに。梁の位置を高く入れ直し、室内に縦方向の広がりをもたらしました。そして高窓からの自然光を取り入れることで、室内全体を明るくしています。

玄関の土間は北側半分だけ畳敷きとして雰囲気を残し、式台には古材を活用。式台の下と梁上に間接照明を取り付けて、柔らかい光で空間演出を施しました。

また和室が連なっていて、生活動線が間延びしていたため、キッチンの回りに洗面脱衣室、浴室、食品庫、勝手口などを配置。家事動線を短くまとめました。

浴室は既存の五右衛門風呂から、LIXILのシステムバス「キレイユ」に交換し、毎日のお手入れや使い勝手を改善。トイレなどの水回り機器も一新されました。

床にはカリンの無垢板を張り、壁は珪藻土と自然素材で仕上げることで、室内に表された構造材とも調和。天井や壁を間接照明で照らすことで、夜も空間全体の広がりを感じることができるようになりました。

間取りを整理し、開口部の位置も通風・採光のために再構成。夏はすべての建具を開放すると、気持ちのいい風が室内を吹き抜けていきます。冬場にはリビングに設置した薪ストーブの暖気が効率よく行き渡り、快適に。空き家になっていた古民家は、家族が再び安心して集える住まいとして生まれ変わりました。

屋根は補修を施し、外壁は、表に見える部分に漆喰を塗って古民家の風格を感じさせる仕上がりに。

玄関土間は印象的な構造材をそのまま生かしました。間接照明が素材の質感を引き立てています。

夜になると、空間全体が間接照明で演出され、独特の雰囲気に。昼間とはまた違った魅力が感じられます。

■リビング

薪ストーブを設置したリビング。輻射熱の暖気が部屋中に行き渡ります。梁を表して広がりの生まれた室内には、木の温もりが満ちて、家族の憩いの場に。

■和室

南側の和室の続き間はほぼそのままに。手を入れるところと残すところについては、コストも含め、お施主様と綿密に打ち合わせを重ねて決めていきました。

■浴室

浴室はLIXILのシステムバス「キレイユ」に交換。

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