鉄骨造3階建ての室内を
斜めの造作収納で再構成。

ギャラリーのような
非日常空間に

[I様邸]徳島県徳島市

LIXILメンバーズコンテスト

リフォーム部門・地域最優秀賞受賞作品

家族構成:夫婦+子ども2人

構造:地上3階建て

築年数:約25年

改装床面積:1階 19.20㎡ 2階 64.15㎡ 3階 64.15㎡

施工:株式会社アークホーム

設計:有限会社 開 建築設計事務所

  • リフォーム

1階は駐車場、2階はオフィス、3階は住居となっていた鉄骨造3階建てを4人家族の住宅としてリフォーム。室内を斜めに間仕切ることで光と風と視線を空間全体に届け、明るさと広がりをもたらしました。

北の大開口で開放的に。棚や収納を
スタイリッシュに造作して空間をコーディネート

Iさん夫妻が暮らしていた鉄骨造3階建ては、1階が駐車場、2階は賃貸オフィスのスペースとなっており、3階に住居部分がありました。建物の断熱施工が不十分で夏暑く、冬の冷え込みや結露にも悩まされていたということからリフォームを決断。設計は開(はり)建築設計事務所、施工はアークホームに依頼することに。

今回のリフォームでポイントになったのは、周囲を高い建物に囲まれている中で採光を図りながら、子どもたちが伸びやかに暮らせるように、空間に広がりを持たせることでした。そこで提案されたプランは、1階は駐車場のままにして、2階に子ども室と寝室、家族共有のライブラリー、日当たりのいい3階にLDKを配置するというものでした。

2、3階とも北側の道路に面した壁面には大きな開口部を設置。そこに造作された棚が幾何学的な意匠となって、ファサードのアクセントに。

以前は外階段でしたが、壁・天井で囲って室内に取り込み、台形のFIX窓を2か所設け、外観に動的なイメージを加えることに。

3階のLDKはワンルームに。部屋の中央には、西から東に向かって開くように、約30度の角度がついた造作の収納ブロックが据えられました。これによって室内の対角線上に視界が展開し、広がりを感じることに。収納ブロックの裏には洗面脱衣室、浴室、トイレなどの水回りを配置。収納ブロックはキッチン側、洗面室側の両面から使うことができ、室内がすっきり片付きます。

2階でも間仕切りの壁には角度が付けられました。壁が正対していないため、圧迫感がなく、動線が導かれるように2つの子ども室と寝室、家族共有のライブラリーが連続するフロアとなりました。

本が好きなご夫妻と、ミニカーの好きなお子さんのイメージを反映して、「シェルフハウス」というコンセプトのもと、室内の随所に棚が散りばめられています。北側の大開口に設けられた棚は、外からの視線をほどよく遮り、意匠としてだけでなく、内外をほどよく分けるソフトなフィルターとしても機能しています。

間取りの自由度の高い重量鉄骨造の特徴を生かし、大きな開口部と斜めの間仕切りを取り込むことで、変化と広がりのある空間が生み出されました。

カーテンウォールのように北側に開口部を設けた外観。格子状に設置された棚板がアクセントに。

現在、子どもたちが幼いため、家族は2階の子ども室で一緒に寝ています。そのため、本来の寝室はご主人のトレーニングルームに。

階段の壁は既存のコンクリート打ち放しのまま。リフォームならではの独特の味わいに。

■ダイニング・キッチン

室内を仕切る収納ブロックは、洗面室のほうからも使用することができます。

■リビング

3階のリビングをキッチンから見たところ。白を基調にまとめられた内装をオークの床がぐっと引き締めます。構造上、取れなかった柱は時計掛けに。

■ライブラリー

各個室に出入りするときには必ずここを通ります。壁面いっぱいに棚が造作され、ギャラリーのような雰囲気に。

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