既存家屋を生かしながら
ツートーンのモダンな空間に。

インテリアの映える
古民家スタイル

[白と黒の家]愛知県西尾市

LIXILメンバーズコンテスト2013

リフォーム部門・地域優秀賞受賞作品

家族構成:夫婦

構造:木造在来工法

改装床面積:1階 147.44㎡ 2階 85.95㎡

築年数:約55年

設計・施工:株式会社 戸田工務店

  • リフォーム

築55年の木造住宅を耐震改修。既存の構造材を室内に表し、力強さと頼もしさを演出しました。その一方、内装はモダンな要素も取り入れて、お気に入りの家具や小物がスッキリと映える空間に。

白と黒のコントラストに木の温もりが映える室内。
温熱環境を改善して快適に

堂々たる木組みで構成されたAさん宅は、築55年の木造住宅2階建て。敷地内にご子息一家が新築することになり、その新居と広縁で接続する形でのリフォームが計画されました。

設計・施工の依頼先は、古民家を再生するリフォーム事業に力を入れており、既存家屋の古材の活用にも多くの実績とノウハウがある、住まいプロホームウェルTODA/戸田工務店です。

ご主人の祖父の代に建てられたという住まいに深い愛着を持つAさん夫妻の要望は「既存の古民家の雰囲気を生かしながら、白と黒のコントラストが映えるようなモダンな空間にしたい」ということでした。

リフォームのポイントとなったのは、生活の中心となるLDK。以前は北側に位置していて暗かったI型キッチンを南向きの対面式に変更。さらに南側にあった和室を応接室に変え、リビングを通して、南側の明るい日差しを取り込みました。

また、天井を撤去して太い梁を室内に表しにすることで小屋裏の空間がそのまま吹き抜けとなり、LDKは広々とした開放感あふれる雰囲気になりました。梁に合わせるように、床材には塗装を施し、壁は漆喰に。自然素材の温もりを生かしながら、白い壁に合わせてキッチンの扉材や天板も白を選ぶなど、ナチュラルモダンのテイストも巧みに取り入れました。

ご主人が気にしていた耐震性についても、現在の耐震基準に照らし合わせて耐力壁や構造の柱を加えながら、老朽化した部位を補修し、安全性を確保。LDKには温水式床暖房を敷設。床下では防湿コンクリートを全面に打設し、床・壁・天井に断熱材を充てんすることで断熱性も高め、室内の温熱環境を快適なものに改善しました。

2階では、3部屋の和室を再構成して、「くつろぎの間」と名付けた板の間、和室、予備室が設けられ、1階と同様、木の構造を全面に生かした仕上がりに。

既存建物の風格を大事にしながら、現代の生活に合った住宅性能をプラス。そして、住まい手の好むインテリアテイストを細部にわたって反映させることで、これから先も安心して住める、居心地のいい住空間となりました。

立派な梁を表しにしたLDK。床板や家具、造作などの色も合わせながら、壁面やキッチンは白でまとめ、メリハリの効いた室内となりました。

2階では、板の間の「くつろぎの間」が中心に。左手には和室と板の間、右手奥には予備室が設けられ、1階とはまた違う時間を過ごせる空間となりました。

玄関にある丸窓は既存のもの。竹細工の格子が印象的です。飾り床のようにしつらえて玄関のアクセントに。

■玄関

玄関は土間を大きく確保し、ゆったりとした場所に。上がり框を斜めにすることで、多数の来客があっても出入りしやすくなりました。右手の引き戸は応接室に続きます。

■LDK

キッチンから南側の応接室までオープンに広がる室内。LDKには温水式床暖房を敷設したことで、空間全体がほどよく暖まります。応接室は玄関の土間からもアクセスでき、ご近所の方との交流にも利用。

■和室

南向きの広縁はそのまま生かしました。親族が集まる機会があるため、和室の続き間は残し、内装を一新しています。右奥の障子の向こう側には玄関が続いています。

設計・施工

株式会社 戸田工務店
愛知県新城市宮ノ後16-1

創業は1960年。地場産材を大事にした家づくりを提案しています。木の構造に組み合わせるのは、地場の山や水底などから採取した粘性の高い砂混じりの粘土(荒壁土)を竹小舞に塗り、裏側から裏返し塗りをして仕上げた土壁。室内の空気の乾湿を調整する自然作用を利用した昔ながらの在来工法を得意としています。

新築住宅では、太陽、風、地熱など、自然のエネルギーを活用するパッシブソーラーの考え方を取り入れ、壁体内の通気を図る工法で、エアコンなどの設備機器に頼らずに夏涼しく冬暖かい住まいを提供しています。

また、地元で解体された古民家の材木をストックし、新築やリフォームにも活用。有効な資源である古材を無駄にせず、環境保全や町並み保存にも貢献していくという目的から、『社団法人愛知県古民家再生協会』を立ち上げました。質のよい古材をできる限り再利用していくことを目指しています。

「向山オフィス ギャルリ戸田」では、こうした家づくりへの取り組みを反映した空間を体感することができます。

掲載:2014年12月

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