[白と黒の家]愛知県西尾市
LIXILメンバーズコンテスト
リフォーム部門・地域優秀賞受賞作品
家族構成:夫婦
構造:木造在来工法
改装床面積:1階 147.44㎡ 2階 85.95㎡
築年数:約55年
設計・施工:株式会社 戸田工務店
築55年の木造住宅を耐震改修。既存の構造材を室内に表し、力強さと頼もしさを演出しました。その一方、内装はモダンな要素も取り入れて、お気に入りの家具や小物がスッキリと映える空間に。
堂々たる木組みで構成されたAさん宅は、築55年の木造住宅2階建て。敷地内にご子息一家が新築することになり、その新居と広縁で接続する形でのリフォームが計画されました。
設計・施工の依頼先は、古民家を再生するリフォーム事業に力を入れており、既存家屋の古材の活用にも多くの実績とノウハウがある、住まいプロホームウェルTODA/戸田工務店です。
ご主人の祖父の代に建てられたという住まいに深い愛着を持つAさん夫妻の要望は「既存の古民家の雰囲気を生かしながら、白と黒のコントラストが映えるようなモダンな空間にしたい」ということでした。
リフォームのポイントとなったのは、生活の中心となるLDK。以前は北側に位置していて暗かったI型キッチンを南向きの対面式に変更。さらに南側にあった和室を応接室に変え、リビングを通して、南側の明るい日差しを取り込みました。
また、天井を撤去して太い梁を室内に表しにすることで小屋裏の空間がそのまま吹き抜けとなり、LDKは広々とした開放感あふれる雰囲気になりました。梁に合わせるように、床材には塗装を施し、壁は漆喰に。自然素材の温もりを生かしながら、白い壁に合わせてキッチンの扉材や天板も白を選ぶなど、ナチュラルモダンのテイストも巧みに取り入れました。
ご主人が気にしていた耐震性についても、現在の耐震基準に照らし合わせて耐力壁や構造の柱を加えながら、老朽化した部位を補修し、安全性を確保。LDKには温水式床暖房を敷設。床下では防湿コンクリートを全面に打設し、床・壁・天井に断熱材を充てんすることで断熱性も高め、室内の温熱環境を快適なものに改善しました。
2階では、3部屋の和室を再構成して、「くつろぎの間」と名付けた板の間、和室、予備室が設けられ、1階と同様、木の構造を全面に生かした仕上がりに。
既存建物の風格を大事にしながら、現代の生活に合った住宅性能をプラス。そして、住まい手の好むインテリアテイストを細部にわたって反映させることで、これから先も安心して住める、居心地のいい住空間となりました。