昔の面影を保ちながら
耐震性や断熱性を大幅に向上。

バリアフリー化で
快適に

[W様邸]愛媛県伊予市

LIXILメンバーズコンテスト

リフォーム部門・地域優秀賞受賞作品

家族構成:夫婦+子供2人+お父様、お母様

構造:在来木造

改装床面積:214.19㎡

設計・施工:株式会社 うずくぼ工房

  • リフォーム

築100年以上の旧家は趣のある立派なたたずまいを今に示します。そんな雰囲気を大切にしながら、耐震補強、断熱改修を施し、間取りを整理。バリアフリーの住空間を実現することで3世代6人家族にとって暮らしやすい住まいになりました。

生かせる構造・部材は最大限に活用して再生を図る

築103年を経過したW邸は、立派な風格のある木造住宅。しかし、段差が多いうえに全体的に薄暗く、高齢のご両親には負担の多い住まいとなっていました。「戸を閉め切ると室内は真っ暗。冬はとにかく寒かったです。あと、古い建物だったので耐震性についても心配でした」。リフォーム前の状況について、奥様はこのように振り返ります。

大手も含め、数社に相談したというご夫妻ですが、古民家改修に多くの実績を持つ、うずくぼ工房を選ぶことに。「建築以来、代々守ってきた家です。イメージを一新するのではなく、雰囲気を大事にして住み継いでいきたい。そんな気持ちを理解してくれたのが決め手になりました」と奥様。

綿密な事前調査で構造の状態を確認し、基礎も含めて建物全体の構造を見直して、構造材を補強したり、必要な耐力壁をバランスよく入れたりするなど、耐震性を確保するところから計画がスタートしました。

「一部分だけ強くしてもその他の部位に負荷がかかってしまいます。古い木構造はバランスよく耐震性を付与していくことが大切」と山本義一社長。開口部はペアガラスを入れ、土壁は撤去して壁内にグラスウールを充てんして断熱性を向上。ダイニングに薪ストーブを設置して、団らんの場を暖かくしました。

室内では、田の字型に配置されていた和室のうち3つをひと続きのLDKに変更。北東側にあったキッチンを1階の中心に移動しました。家族の集まる場所を広く確保し、どの部屋からもアクセスしやすい配置に。

「キッチンからの視野が広がり、1階の西側にある両親の部屋にも目が届きやすくなりました」と奥様は喜びます。介護が必要で車いすで移動するお母様のため、浴室、トイレは入り口を広くし、段差を解消。北側には段差のない勝手口とスロープも新設しました。天井裏に隠れていた小屋梁は表しとし、リビングの上は吹き抜けに。物置となっていた小屋裏も多目的なスペースとなりました。

耐震性、断熱性が向上し、バリアフリーに。リフォームによって快適性を高めるだけでなく、木構造の魅力も引き出されたW様邸は、この先も末永く家族の暮らしを守ってくれるはずです。

以前の印象を守るため玄関戸には引き戸を採用。

1階の北側にはご両親のために勝手口を新設。ウッドデッキとスロープを備え、車いすでも出入りしやすいようになっています。

多目的スペースへの階段。緩勾配でかけ直しました。

■玄関

ケヤキの式台を設置した玄関。吹き抜けを設け、ゆったりとした空間になりました。障子は既存の建具を再利用しました。

■LDK

L字形に連続するオープンな間取りに。光と風が行き渡り、広がりを感じる室内になりました。

■多目的スペース

小屋組みの構造をオープンにしたことで、小屋裏は広々とした空間が生まれ、多目的に使うスペースができました。

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