昔の面影を保ちながら
耐震性や断熱性を大幅に向上。

バリアフリー化で
快適に

[W様邸]愛媛県伊予市

LIXILメンバーズコンテスト2012

リフォーム部門・地域優秀賞受賞作品

家族構成:夫婦+子供2人+お父様、お母様

構造:在来木造

改装床面積:214.19㎡

設計・施工:株式会社 うずくぼ工房

  • リフォーム

築100年以上の旧家は趣のある立派なたたずまいを今に示します。そんな雰囲気を大切にしながら、耐震補強、断熱改修を施し、間取りを整理。バリアフリーの住空間を実現することで3世代6人家族にとって暮らしやすい住まいになりました。

生かせる構造・部材は最大限に活用して再生を図る

築103年を経過したW邸は、立派な風格のある木造住宅。しかし、段差が多いうえに全体的に薄暗く、高齢のご両親には負担の多い住まいとなっていました。「戸を閉め切ると室内は真っ暗。冬はとにかく寒かったです。あと、古い建物だったので耐震性についても心配でした」。リフォーム前の状況について、奥様はこのように振り返ります。

大手も含め、数社に相談したというご夫妻ですが、古民家改修に多くの実績を持つ、うずくぼ工房を選ぶことに。「建築以来、代々守ってきた家です。イメージを一新するのではなく、雰囲気を大事にして住み継いでいきたい。そんな気持ちを理解してくれたのが決め手になりました」と奥様。

綿密な事前調査で構造の状態を確認し、基礎も含めて建物全体の構造を見直して、構造材を補強したり、必要な耐力壁をバランスよく入れたりするなど、耐震性を確保するところから計画がスタートしました。

「一部分だけ強くしてもその他の部位に負荷がかかってしまいます。古い木構造はバランスよく耐震性を付与していくことが大切」と山本義一社長。開口部はペアガラスを入れ、土壁は撤去して壁内にグラスウールを充てんして断熱性を向上。ダイニングに薪ストーブを設置して、団らんの場を暖かくしました。

室内では、田の字型に配置されていた和室のうち3つをひと続きのLDKに変更。北東側にあったキッチンを1階の中心に移動しました。家族の集まる場所を広く確保し、どの部屋からもアクセスしやすい配置に。

「キッチンからの視野が広がり、1階の西側にある両親の部屋にも目が届きやすくなりました」と奥様は喜びます。介護が必要で車いすで移動するお母様のため、浴室、トイレは入り口を広くし、段差を解消。北側には段差のない勝手口とスロープも新設しました。天井裏に隠れていた小屋梁は表しとし、リビングの上は吹き抜けに。物置となっていた小屋裏も多目的なスペースとなりました。

耐震性、断熱性が向上し、バリアフリーに。リフォームによって快適性を高めるだけでなく、木構造の魅力も引き出されたW様邸は、この先も末永く家族の暮らしを守ってくれるはずです。

以前の印象を守るため玄関戸には引き戸を採用。

1階の北側にはご両親のために勝手口を新設。ウッドデッキとスロープを備え、車いすでも出入りしやすいようになっています。

多目的スペースへの階段。緩勾配でかけ直しました。

■玄関

ケヤキの式台を設置した玄関。吹き抜けを設け、ゆったりとした空間になりました。障子は既存の建具を再利用しました。

■LDK

L字形に連続するオープンな間取りに。光と風が行き渡り、広がりを感じる室内になりました。

■多目的スペース

小屋組みの構造をオープンにしたことで、小屋裏は広々とした空間が生まれ、多目的に使うスペースができました。

設計・施工

株式会社 うずくぼ工房
愛媛県松山市中野町甲292-1

社名の「うずくぼ」とは、山本義一社長の生まれた愛媛県旧小田町(現内子町)にて使われていた実家の屋号です。「生涯大工」を信条とする山本社長も含め、モノづくりが好きなスタッフで構成されており、事務所はアットホームな雰囲気を漂わせています。

「専門の知識と確かな技術で、住まい手の幸せの舞台となる住まいづくりを目指していきたい」。山本義一社長はこのように自社の方針を語ります。キーワードとなるのは「安心」「エコ」「癒し」「趣き」。住宅の新築のほか、リフォーム、古民家再生などについても、この方針が貫かれています。

特に豊富な実績を持つ古民家再生については、「壊しすぎない」ということを常に念頭に置いています。「ここまで残ってきた建物ですから、使える部分は大事に使う、表に見せられる構造はそのまま見せたい。そんなプランをご提案しています」と山本社長。

伊予郡砥部町には、木と土と紙を慈しむかつての日本の民家をモダンにアレンジしたモデルハウスも用意。人を暖かく迎え入れる雰囲気が生まれるような設計・施工の工夫が盛り込まれています。

掲載:2013年12月

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