[Ansin〜夫婦2人で老後も楽しく暮らせる家〜]青森県五所川原市
LIXILメンバーズコンテスト
新築部門・エコロジー賞受賞作品
家族構成:1人
構造:SW工法
規模:地上2階建て
延床面積:139.31㎡
施工・設計:有限会社三浦建設
普段はのんびり暮らせるけれども休みになれば子どもや孫、友人が遊びに来て賑やかに。そんな老後の生活を快適にする高気密高断熱のパッシブデザインとバリアフリーの工夫が取り込まれました。
断熱・気密・省エネの技術に自信を持つ三浦建設が手掛けたM邸は、SW工法を採用し、各種の省エネ機器・建材を巧みに取り込むことで長期優良住宅の認定を取得した住宅です。子どもが成人し、独立したあとのシルバー世代の住まい手のための間取りプランが提案されました。
2階は8畳の洋室と4畳半の小屋裏収納のみ。LDKや水回り、寝室といった主要な生活空間は1階にまとめられ、ほぼ平屋に近い間取りに。住まい手のMさんも、「普段はひとりで暮らしているので、1階だけで生活できるのは楽でいいですね」と話します。
玄関の段差はフラットに。広めの土間には腰掛けられるベンチも設けられ、靴の脱ぎ履きの負担を軽減しています。また洗面台が玄関ホールに設置されているので、帰宅後すぐに手洗い、うがいをすることができます。
家事の負担を軽減するため、キッチンから洗面室、浴室への動線は一直線に。洗面室は広めに確保しているので、雪の降りしきる冬場の物干しスペースとしても使えます。また、キッチンのすぐ横にはダイニングを配置。食事の支度から配膳、後片付けまでを最短距離でこなすことができます。
1階の居室は引き戸で仕切られており、開けると全体がひとつの広い空間に。よく遊びに来るお孫さんも「段差も間仕切りもないので、喜んで走り回っています」とMさんは目を細めます。普段はLDKを中心にコンパクトに生活できますが、多目的な和室、広いウッドデッキも取り込んだ空間は、友人や親族を招いても十分にくつろげる余裕があります。
また、寝室から浴室やトイレとの距離が近いため、夜の就寝時にも安全に行き来することができます。スラブ式のヒートポンプ温水床暖房を採用して、室内の温度が均一なので、冬場の入浴やトイレなどもヒートショックによる負担が大幅に軽減されています。
躯体はSW工法で建築し、太陽光発電システムを搭載。大きな開口部のあるリビング前の軒の出によって、夏の直射日光を遮りつつ、冬場の日差しを取り込むことを実現しました。通風・日射計画のシミュレーションも綿密に実施し、開口部の配置や寸法なども、確かな裏付けを持って計画されています。
省エネ性能の高い躯体の中に、住まい手の使い勝手を配慮した収納・動線計画が盛り込まれ、温熱環境も整えられることで、快適性の向上が図られた住宅となりました。