[広く、そして伸びる家]千葉県長生郡
LIXILメンバーズコンテスト
新築部門・地域最優秀賞受賞作品
家族構成:夫婦+子供1人
構造:木造軸組工法
規模:平屋建て
延床面積:108.7㎡
施工:株式会社 住工房スタイル
サーフィンを愛するご主人とともに奥様とお子様が暮らす、海辺の家は、広い庭に向けて開いたL字型の平屋建て。イメージはオープンなカフェスタイル。ナチュラルなテイストに仕上げられました。
ご主人の趣味はサーフィン。そのため海にすぐ出られる、浜辺からほど近い集合住宅にお住まいでした。結婚後、奥様も房総ののどかな自然を感じられる環境を気に入り、土地を探して家づくりに取り組むことに。
住工房スタイルの野口浩社長が提案したのは、道路から目隠しするようにL字型に建物を配置したプラン。ご夫妻が希望した平屋の間取りが採用されました。中央にLDKを据え、南側に寝室と子供室、東側に浴室などの水回りが振り分けられることに。「南に大きく庭を確保しました。建物の平面をL字にすることで東から南にかけて一日中、陽光が当たるように設計しました」。野口社長はこのように解説します。
屋根は大きく片流れにして南に開く形に。軒は約200cmと大きく張り出しました。夏の直射日光を避けつつ、冬の日差しを取り込むことを考えて設計しています。「あと、この敷地は海に近いので潮風が吹き付け、台風の影響もあります。軒を出すことによって、外壁と開口部を守るよう配慮しました」と野口社長。室内の間口は約3.6m(二間半)としました。これは庭に向いた開口部からの奥行きをあえて浅くすることで、取り込んだ光や風を室内の隅々まで届けるためです。また室内から外への距離も短く感じられるという効果も発揮します。開口部にはLIXILの高断熱サッシ「デュオPG」を採用。これだけ開放的なつくりでありながら、設計段階から断熱性・耐震性に配慮して、長期優良住宅の仕様を実現しています。
建物の庭側にはウッドデッキもL字に設置。家のどこからでも外へ出ることができます。「敷地の外、庭、ウッドデッキと軒、そして室内、と段階ごとに空間が連続していくように構成を考えました」と野口社長。軒裏は杉、外壁は赤松の無垢板を張り、室内の木質感とイメージを揃えたため、大きな開口部を通して内外の一体感はさらに高まることに。室内は、床にカバザクラ、天井に杉を張り、梁を表しにして、ナチュラルな雰囲気にまとめました。LDKの天井は大きく吹き抜けて、屋根の勾配をそのままに。ダイナミックな開放感の味わえる空間となりました。「鎌倉のオープンカフェのような家に住みたい」。ご夫妻のそんな夢は、見事にかなえられました。