[H様邸]長野県伊那市
第21回TH大賞(リフォーム部門)
地域最優秀賞受賞作品
家族構成:夫婦+子供1人
築年数:約25年
改装床面積
1階床面積:43.89㎡
1階増築部床面積:18.99㎡
2階床面積:24.01㎡
施工面積合計:86.89㎡
設計・施工:株式会社あっとホーム
母屋に隣接する古い事務所を家族3人の新居につくり替えることに。構造を補強し、断熱性を高めて、廊下と階段を増築。限られた空間の中でも仕上げにこだわってデザイン性の高い住まいになりました。ワンフロアワンルームのコンパクトさが暮らしやすさを生んでいます。
ご主人の実家で同居していたH様夫妻。お子様を授かったことで、新たに住まいについて考えることとなりました。ちょうど母屋の隣にはご主人のお父様が昔使っていた事務所の棟が。「母屋を建て替えて2世帯同居の家にするか、事務所棟を建て替えて私たちの新居にするか、いろいろと考えました」とご主人。結局、予算や将来の家族構成の変化なども考慮に入れ、事務所棟をリフォームすることになりました。
事務所棟は、1階はミニキッチンとトイレを備えたワンルーム。外から入る階段を上がると2階に納戸のスペースがありました。建築されてから25年が経過していることもあり、断熱材が劣化し、冬には底冷えのする状態。また水回りもトイレとミニキッチンしかないため、浴室や洗面室なども新設する必要がありました。
そこで提案されたのは、1階をひと続きのLDKにするプランです。ダイニングテーブルを兼ねたカウンターキッチンを東南の角に配置し、対角線上の玄関や北側の和室、西側のリビングまで見回せるようにしました。「子どもの動きがキッチンからよくわかるので助かります」と奥様。
また外階段のスペースを建物内に引き込んで通路を増築し、内階段を新設。2階の納戸は寝室につくり替えました。新しく設けた通路は4尺5寸(1365mm)幅と広めに確保し、雨天時の物干し場としても機能するようになっています。
そのほか、もともと事務所として使用していたため、収納部が少なかったので、1階の和室の床下には引き出し式の収納、和室の隣にウォークインクロゼットを新設。2階の押し入れは、折り戸の収納に変えて間口いっぱいに出し入れできるようにしました。
内壁、天井には調湿性のある左官材を使用。床には柔らかい質感のパインの無垢材を張りました。自然素材を多用した室内は、造作のテレビ台やダイニングテーブル、本棚などによってハンドメイドの温もりに満たされて、居心地のいい空間となりました。