[S邸]北海道函館市
第21回TH大賞(新築部門)
地域最優秀賞受賞作品
家族構成:夫婦+子供2人
構造:木造軸組
規模:地上2階建て+地階
延床面積:217.45㎡
設計・施工:北海道ハウス株式会社
周囲を見渡す高台の敷地を生かすため、3層の建物を計画。
戸外の眺めを大胆に切り取り光と風を効果的に取り込む窓と空間の構成はシンプルかつ効果的に。変化に富んだ快適な住まいになりました。
S邸の敷地には、道路面から最大3mにもなる高低差があります。建築コストを抑えるため掘削は最小限にとどめ、敷地の傾斜を生かす方向で計画が検討されました。その結果、地階は駐車場と玄関のみとし、1階はLDKとサニタリー、2階に個室という3層の構成に。
そして、斜めに切られた不整形の敷地に合わせて、平面計画は台形に。各層とも眺めのいい北西側と日当たりのいい南西側にそれぞれ開口部を多く確保することで、この敷地の最大のメリットである高台からの展望をプランに取り込んでいます。
地階では、基礎を兼ねた駐車スペースを計画。地階では暗くなりがちなので、階段の上部に窓をとって、そこからの光を玄関ホールに落とすようにしています。
北側にキッチンや洗面室などの水回りをまとめて家事の効率を高める一方で、南側には家族の集まるリビングとダイニングのスペースを広く確保しました。
リビングの脇にはテラスへ続く掃き出し窓、またダイニングの対面には大きなピクチャーウィンドウが設けられました。壁面に沿って広がるパノラマ状の視界には、函館の町並みや空がダイナミックに取り込まれ、まさに絶景。
南東には中庭も設けられました。シンボルツリーが植えられ、リビングのソファからは常にみずみずしい緑の眺めが得られることに。
1階のダイニング上部には吹き抜けがあり、子供室、寝室などが配された2階とひと続きに。「子供たちの気配も伝わってきます」と奥様。S邸では生活の場は3層に分かれていますが、階段や吹き抜けによってほどよく空間が連続しており、家族の一体感を味わうことができるようになっています。
どこまでもつながる内と外、そして空間と動線。この家には家族が伸びやかにかつ快適に暮らすために大事な要素がいっぱいに詰まっています。