[金井島のリフォーム](S邸)神奈川県足柄郡
第21回TH大賞(リフォーム部門)
地域最優秀賞受賞作品
家族構成:夫婦+子供2人+父+祖母
構造:木造軸組工法
規模:1F:150.27㎡ 2F:88.19㎡
設計・施工:有限会社 空間設計技研 なごみはうす
祖母と父の暮らす家に夫婦と2人の子どもが同居。複雑な生活動線をシンプルにまとめ直して家族の交流もスムーズに。
梁を表しにして天井高を上げ、広々と明るい住空間へとつくり変えました。
築16年のS邸には、約70坪の床面積がありましたが、住んでいたのはご主人のお父様とお祖母様だけ。使っていない部屋が多いため、光や風も通らず、全体的に暗い印象を与える空間になっていました。そこへ、Sさんご夫妻と2人のお子様が同居することになり、4世代の家族が快適に暮らすためのリフォームが計画されました。
1階のLDKは、家族の交流の場として機能させるため、ダイニングキッチンとリビングの間の仕切りを取り払ってワンルームに。低い天井板を撤去して、梁を表しとして、縦への広がりを出しました。また、リビング横の和室は縁無し畳とクロスでモダンに仕上げ、LDKと続きで使えるようにして、全体的に開放感を持たせています。
既存部分の解体と同時に構造の接合部に補強を施して耐震性を高め、床・壁・天井の断熱材も高性能のものに入れ直して住宅エコポイントも取得。リビングには床暖房を敷設してボリュームの増えた空間を輻射熱で快適に暖めることができるようになりました。
使われていない水回りや閉め切りの部屋を迂回して、どこに行くにも遠回りとなっていた動線を改善するため、続き間の和室を分割するように通路を新設。これにより、1階西側の居室からお祖母様がスムーズにリビングへ向かえるようになりました。
また階段を中心にキッチンと洗面室をぐるりと回れる動線も用意。「それまではお風呂に行くときも玄関ホールを通らなくてはならなかったので、落ち着きませんでした」と奥様。複数の生活動線を持つことで、2世帯それぞれの暮らしの動きが滑らかになりました。
2階では、西側の2つの洋室をひとつにまとめ、廊下にあったキッチンの位置を動かして、子世帯用のLDKに。玄関上の吹き抜け部分には、Sさん夫妻の寝室を新しく設けました。
階段の上には天窓を加え、採光を確保。さらに2階ホールの床にガラスを入れることで、階下の玄関にも明るさを届けています。壁と天井を白いクロスを貼ったことで、取り入れた光が反射し、全体的に明るい雰囲気が生まれました。