将来を見据えて
間取りを変更
2階リビングで
快適な終の住処に

【奏でる家】大阪府東大阪市

家族構成:夫婦

構造:木造

規模:2階建て

延床面積:81.0㎡

設計:坪田眞幸建築研究所

施工:大幸綜合建設(DAIKOStyle)

  • リフォーム

コンパクトな敷地に建てられた都市住宅をフルリフォーム。LDKを2階へ移し、新たに開口を設けたことで、気持ちよく過ごせる明るい住まいになりました。

断熱性・耐震性を高める

「奏でる家」は、大幸綜合建設(DAIKOstyle)と一級建築事務所坪田眞幸建築研究所がコラボしたリフォーム住宅。施主ご夫妻にとっては定年後の「終の住処」になる家です。既存の家が建っていた土地は高低差があり、敷地もコンパクト。3方向に隣家が迫っていました。当初は建て替えかリノベーションかを検討中でしたが、コスト面でも物理的な面でも建て替えはリスクが高いとのアドバイスを大幸綜合建設から受け、フルリフォームを実行することになりました。

リフォーム前の住まいは暖房をつけたリビングでも床が冷たく、夏も暑さが辛い状態。工事がスタートして建物を解体してみたところ、壁も床も屋根もほぼ無断熱でした。断熱改修として基礎断熱施工に加え、屋根・床・壁にも断熱材を充てん。すき間風があった窓は高性能サッシ「TW」を設置しました。結果、断熱等級6の断熱性能を実現しています。

施主からは「とにかくリビングを明るく開放的な空間にしたい」「温かい家にしたい」「地震に強い家にしたい」の要望があったため、断熱補強に加えて耐震補強を実施。居住性を向上させ、大幅な間取り変更も行いました。

リフォーム後に生まれた光と風を取り込む2階リビングは、南北に広がる勾配天井が高さと広さを演出する空間です。ご主人が木をふんだんに使う大幸綜合建設のスタイルが気に入っていたため、勾配を生かしたスギ板の天井と軒天、足触りいい3cm厚のスギ材フローリングなど、室内の至るところに木材を採用。さまざまな表情の樹種を使用しています。造作キッチンの面材も突板張りにして、自然な質感にこだわりました。将来的には1階のみで生活が事足りるように設計されており、長く、安心して暮らすことができる住まいです。

ガルバリウムの外壁に屋久島地杉の木箱をはめたようなユニークな外観。「木が好き」というご主人の意見を取り入れました。

勾配天井は高性能グラスウールを充てんし、断熱性能を強化。天井とベランダの軒天は同素材にして既存の丸太梁をアクセントに。

1階の南側にある寝室兼書斎。間接照明でくつろぎ感を演出し、アルミ樹脂の高性能窓を設置して気密性を向上させました。

■1階階段&ホール

階段は穏やかな勾配の曲がり階段に。玄関ホールは車椅子が方向転換できる広々とした空間です。入浴後はベンチで休憩も。

■トイレ

1階トイレは介護負担の軽減を考え、両寝室からアクセスのいい配置に。介護者や車椅子が入れる広さを確保しました。

■アプローチ

急勾配だった玄関までの階段は、玄関位置を後ろに下げて階段のスペースを拡張。転倒しづらいゆるやかな階段に変更。

■キッチン

II列キッチンの通路幅はコンパクトな80cm設計。造作のキッチンとカウンターをつなげ、カフェのように演出。

■収納兼防音室

1階の寝室奥には楽器を演奏のための防音室が。グラスウールを四方に充てんし、吸音性のある有孔ベニヤを壁に使用しました。

■2階天井

屋根断熱を行い切妻屋根の傾斜を生かしている。リビングとインナーバルコニーの軒天の素材をスギ板張り仕上げで合わせました。

写真:①以外 杉野圭

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