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ホーム > 暮らしの役立ち情報 > 著名人が語る「私のこだわり空間」 > 新しさと古さが調和する階段が素敵な家 フラワーデザイナー 渋沢英子
著名人が語る「私のこだわり空間」


新しさと古さが調和する階段が素敵な家

住む人が幸せに変化していける場所

フラワーデザイナー、ハンドクラフト作家としてどんどん活躍の場を広げている渋沢英子さん。その新居は小さな敷地に広々と建てた光溢れる家。ユニークで素敵な「挑戦」がいっぱいの住まいです。
渋沢英子
壁はほぼすべて自分で仕上げたリビングで。背後のモスグリーンの壁は、パープル→明るいグリーン→現在と3度塗り直したそうです。
壁や内装は自分で思い通りに仕上げたかった。色やバランスはやってみないとわからないし、失敗しても、やり変えればいいでしょ。

新築なのに馴染んだ感じ
自分で仕上げた壁の効果

都心のど真ん中の、思いがけないほど静かな住宅地。そこにフラワーデザイナー渋沢英子さんの新居があります。16坪ほどの決して広いとはいえない敷地に、1階はコンクリートと曇りガラスの壁面、2階以上はガラスと屋根の組み合わせ、白い低めのフェンスに緑のコントラスト…と、かなり個性的な外観のお宅です。

渋沢さんに導かれ、洗い出し仕上げの三和土(たたき)風の廊下を通って階段を上がると、2階から3階まで大きく吹き抜けたリビングへ。両サイドに隣家が迫る外観からは想像もつかない明るい大空間です。

渋沢さんは、子供の頃の古い日本家屋、洋風に建て直した前の家と、この場所で2軒の家に住んだ経験から、隣家の影響やどの位置の窓が必要か不要かを熟知していました。4年前、前の家を壊して新築すると決めたとき、窓やドアの位置や大きさ、建具の素材やインテリアデザインの細部まで希望を出し、ご主人の知人である設計士の方に構造設計をお願いしたそうです。

順調に滑り出した新築計画でしたが、着工後はトラブルに見舞われ、なんと工期が予定の三倍もかかってしまったそう。それでも最後は自分で仕上げたかったという渋沢さんは、リビングの壁に下地材を貼ってペンキを塗ったり、キッチンのパーツやフェンスを塗装したり、プロ顔負けの大活躍。

「ペンキ塗りは前から好きでしたけど、今回は左官作業がとても楽しかった」とニコニコ。

何度も塗り重ねた感じや、下地材のエンボス感を残した壁の風合い…新築なのに不思議と馴染んだ感じなのは、どうやらそこに秘密がありそうです。

ドア 渋沢英子
木製フレームに真鍮の取っ手がオシャレなフレンチドアを開けて、テラスへ。

外観 渋沢英子
わずか16坪の敷地を有効に使った、地下1階・地上3階+屋上の個性的な外観。



リビングは広がりを感じさせるようにフローリングを対角に張っています。
螺旋階段 渋沢英子
3階のキッチンから螺旋階段でリビングへ。来客やパーティのときはお料理を運ぶのもショーアップできます。

キッチン 渋沢英子
キッチン 渋沢英子
3階のキッチンは、リビングの吹き抜けの中空にあるユニークな配置。古い家具を再利用したとは思えない素敵なキッチン。塗装も取り付けも自分の手で。

階段が素敵な家に…で、
1ヵ月の梯子暮らし。

渋沢さんのお宅は地下1階、地上3階と屋上で、各フロア1室の構成。細かい間取りにすると 暗い部屋や無駄なスペースができてしまうので、思い切った構成にしたといいます。

つまり、どの部屋に行くにもいずれかの部屋を通るわけで、そうなると階段の存在はとても大切。そこで階段室を作らず、階段を室内に上手に取り込んでいます。

「海外のインテリア雑誌などには、階段が素敵だなと思う家が多いのに、日本の家の階段は廊下の延長みたいな感覚で…」味気なさを感じていた渋沢さん。そこで「階段が素敵な家にしよう」と決めていたといいます。

なるほど、どのフロアの階段もそれぞれまったく違う表情の個性的なデザインです。中でも圧巻は2階リビングで真っ先に目に飛び込んでくる、3階キッチンへと伸びる螺旋階段。

窓フレームやフレンチドア同様、インターネットでアメリカにオーダーしたものですが、工事期間に間に合わず、なんと納品は引越しから1ヵ月後に。

「でも気に入ったから諦めたくなかった。間に合わせで妥協した階段を長年使うより、1ヵ月我慢して、その先ずっと大好きな階段で満足して暮らすほうがいいでしょう」というわけで、なんと1ヵ月間、キッチンへ梯子で上がり降りしていたという前向きさ。

その後アメリカからキットで届いた螺旋階段を、大工さんと一緒に組み立てて見事に設置完了。待った甲斐のある、望みどおりの「階段が素敵な家」が実現しました。

収納 渋沢英子
収納棚上部は螺旋階段の途中から出し入れできるように工夫。
収納 渋沢英子
最初デッドスペースだった場所に奥行きの浅い収納棚を造りつけました。

古い家具も本来と違う
用途で使ってみると楽しい

子供の頃から部屋の模様替えが大好きだったという渋沢さん。「夜中に一人で家具を運び、小物を作って飾ったり、家具の使い方を変えちゃったり…。翌朝、全然違う空間がパアッと出現するのがすごく楽しかった」と笑います。

そんな渋沢マジックは、この新居でも存分に発揮されています。

たとえばバスルームの洗面台は、昔お父様が台湾で買い求めた整理ダンスを活用。内部の引き出しを水道配管に合わせて改造しています。キッチンの収納庫やキャビネットの扉は、旧居でお母様が愛用していたものを黒く塗って再利用。リビングの6脚のイスは、サイズも形状もバラバラなのに、自分で縫ったお揃いの白いカバーで統一感を演出。他にも素敵な工夫は数え切れないほど。

「古いものが大好き。でも骨董趣味じゃないですよ。古い家具を違う用途で使ったらすごく素敵になったり、色を変えるとグンと引き立ったり…そういう挑戦が楽しくて…。それに古いものなら失敗しても惜しくないし、費用的にも納得できるでしょ」

そしてこの家に住み始めて約1年半。ご主人が料理する機会が増え、二人が家で食事する回数が増え、家族も増える予定とか。

「住む人が幸せに変化していける家がいいと思う。外で気持ちのいいお店に行くより、日々気持ちよく暮らせる家が大切ですね」

そんな渋沢さんの言葉に、何だかこちらまで幸せな気分になりました。

洗面台 渋沢英子
古い整理ダンスの内部を水周りの配管に合わせて加工し、洗面台のキャビネットに活用。

 

サクラちゃん 渋沢英子
愛犬のマルチーズ、サクラちゃんも元気に走り回ったり、専用ソファでくつろいだり、のびのび。

階段 渋沢英子
階段 渋沢英子
1階と2階を結ぶ階段。1階には玄関からの視線を意識した和テイストの花飾り。2階へ向かうと階段突き当たりに飾り棚、右手のフェンスは屋外ベランダとお揃い。



フラワーデザイナー 渋沢英子
フラワーアレンジメントやウェディングプロデュースで活躍し、南青山で幅広いジャンルのハンドクラフトを手がけるアトリエ「ヴァンキャトル」を主宰。その斬新で美しいフラワーデザインや手づくり小物は、若い女性の心をつかみ、雑誌やTVでも大人気。著書に「渋沢英子の手づくりウェディング小物」「かわいくて簡単ラッピング」ともに主婦と生活社刊。


リビング 渋沢英子 アイデアとセンスで、思い出の品や古い家具を甦らせていく渋沢英子さん。ほかにもたくさんある斬新な工夫や見所をご紹介しきれないのが残念です。家やインテリアに対する常識より、住む人の感性や快適さこそ家作りの基本だと実感させてくれる、魅力的なお住まいでした。


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