住まいの新築をお考えの方々を全国の工務店がお手伝いする、住まいの情報サイト
注文住宅・一戸建て・新築住宅建築の[いい家ネット]
ホームサイトマップお問い合わせ
サイト内検索
ホーム > 暮らしの役立ち情報 > 著名人が語る「私のこだわり空間」 > 土と緑のある暮らし 陶芸家 長倉翠子
著名人が語る「私のこだわり空間」11




陶芸家 長倉翠子さん

焼物の里、益子で陶芸家として活躍する長倉翠子さん。
仕事場と住居が一体となったご自宅は、土間の土が匂い、
植物が自生する「生きものにとって心地良い」空間です。
陶芸家 長倉翠子さん 陶芸家。1966年に栃木県益子町一の沢に築窯。1972年、日展に初入選。以後、栃木県文化奨励賞、国際ソロプチミスト婦人栄誉賞など多数。著書に『陶 長倉翠子』(毎日新聞社)など。NHK教育テレビ「陶芸に親しむ」に出演するなど多方面で活躍。1937年生まれ。
2階の書斎の窓から土間サロンを見下ろす。「土間は上座も下座もなくて、階級をなくすのもいいわね」と長倉さん。愛犬リリーも土の上がお気に入り。
  日本有数の焼物の産地として知られる栃木県の益子。陶器店が並ぶ町の中心部を抜け、車で10分ほど走った田園風景の中に、陶芸家、長倉翠子さんの窯場と住居があります。

小高い丘を登ると木立の間に見え隠れする立派な切妻の屋根。

「大きな家に見えるでしょう?それが、この家の唯一不満なところなのね。陶芸家は仕事場と住まいを分ける人が多いけれど、私は一体化しちゃったから」

長倉製陶と書かれた看板のかかる玄関を入ると、そこは大きな土間。プーンと土の匂い。足裏にも柔らかな土の感触があります。

今から9年前、長倉さんがこの家を計画したとき、強く希望したことが2つありました。

「私の焼物が映える家。そして土間がある家。陶芸家の仕事場は土間ですから、その延長上に土間の部屋があると草履のまま行き来できるでしょ。お客さんもクツのまま気軽に入れますからね。それに土間はお掃除が簡単なのよ(笑)」

土間は通常、ホコリがたちにくいように固めて三和土にしますが、長倉さんの土間は畑の土そのまま。住んでいるうちに今の硬さになったのだそうです。土の中には微生物や虫がいて活動しているらしく、いつも適度な柔らかさ。昼間の太陽の光で温度を蓄え、夜になると放出してくれるので、室内にはほんのりした温かさが残ります。

「最初はタンポポや麦が芽を出していましたよ。そのうちいつの間にか玄関横にアジアンタムが芽を出して、徐々に窓際の方へ移動していったの。気持ちのいい場所をちゃんと知っているのね」

日差しや風通しにデリケートなアジアンタムの生育ぶりが、この環境の心地よさを証明しています。
長倉さんの作品が映える、という基本コンセプトで作られた「洋」でも「和」でもない建築。左の渡り廊下の先に窯場があります。

長倉さんの処女作「乱」。粘土と出会ったときに、わぁーっとできた作品。「まだこれを乗りこえられない」

住居と同じ母屋にある仕事場。緑いっぱいの庭や遠くの山々が眺められる明るい部屋です。

土間サロンから仕事場へつづく廊下。南に面し、日差しが強くて土が乾きやすいので、歩く部分にだけ後から大谷石を敷きました。


長倉さんのくつろぎの場所、1階の茶の間。普段は障子を全部開けて、開放的に使っています。長方形のコタツは掘りごたつ。
    1階の土間サロンから、茶の間横の廊下をすすむと長倉さんの仕事場です。つくりかけの作品が無造作に並んだ部屋の中。でも、たいていの陶芸工房で目にするロクロが見当たりません。長倉さんは、ロクロを一切使わず、ひも状に粘土を積み上げていく手びねりという技法で作品を創るのだそうです。それも左手だけで。

「10代の頃にクラシックギターの練習を熱心にやりすぎちゃって(笑)。けんしょう炎で右手を傷めて、今も右手は不自由なままです」

ギタリストの夢をあきらめ、東京から益子へ移り住んだ長倉さんは、地元の職人さんたちに触発され、1966年窯を築きました。

益子焼は、「用」の器として知られていますが、長倉さんは当初からロクロは使わず、用にとらわれないオブジェのような作品を作りつづけてきました。1階の土間サロン、茶の間、2階の書斎など家中に置かれている作品は、左右対称でないもの、縁がギザギザになっているもの、ひねってあるものとどれも個性的です。

「本能的に粘土の柔らかさが好き。粘土を押し込めたり、縮めたりするのは好きじゃないですね。でも観光客にはあまり売れないわね、私の作品は」と笑う長倉さんですが、東京や宇都宮で催される個展は毎回大盛況。安達  さんなど著名な華道家を初め熱烈なファンに支持されています。

2階の書斎兼作品室。正方形の障子や、シンプルな琉球畳で「和」でありながら軽快な印象。窓からのぞくと階下は土間サロン。



長倉さんはお弟子さん2人と愛犬リリーと暮らしています。毎朝5時過ぎに起きると、お化粧もせず髪をゴムでまとめると、エプロンだけかけて仕事場へ直行。

「粘土をいじることで、モノを言わない粘土と対等になれるように感じます。そうすると一日安心して、安定して過ごせる。午後お客さんがあって楽しく過ごした後でも、また仕事場に戻ってすっと朝のつづきに入ることができるんです。365日休みはないですね。毎日粘土をいじらないと微妙な感覚がなくなってしまいますから。ピアニストの指先と同じじゃないかしら」

こうして粘土と手をつないだら、茶の間でNHKの朝ドラを見ながら朝食をとるのが日課です。左手の大きなガラス窓越しに、「山を転がる太陽」や「煮物が煮えあがるようにいっせいに咲く花々」を眺めながら。

飲み残したお茶を、土間の土にさっと振りかける長倉さん。

「植物も土も放りっぱなしだけれど、強いて言えばこのお茶が栄養になっているのかしらね」

人間も生きもののはずなのに、どうしても人工的に育っていく。だからいかに人工的なことから脱出するかというのが私のテーマだという長倉さん。植物にも土にも、もちろん愛犬リリーにも、同じ生物としての親しみと愛情を注ぎます。柔らかな作品が生まれる場所は、そんな生きものたちが活発に息づいている場所でした。

廊下から土間サロンを見る。茶の間は障子を開けた状態です。ゼラニウム、アロエ、竹など地植えしたもの、アジアンタム、苔など自生しているものといろいろな植物が一番居心地のよい場所に落ち着いています。
「陶芸家を目指したのは、義太夫だった母への憧れもあるでしょうね。一つの技術を身につけて一生命を燃やしたいと思いました」。庭でリリーと。

茶の間から庭を見る。地面すれすれまでの大きなガラス窓。お弟子さんや長倉さんのファンの方たちが、サザンカやケヤキの木を植えて雑木林に。

写真=林 雅之
photo= Masayuki Hayashi
会員サービス
リニューアル記念 平面図作成ソフト 無料ダウンロードできます!
工務店検索
施工例検索
見学会検索
特集 匠がつくる「いい家」
住宅コンテスト TH大賞作品集
家づくりの知識
工務店の家づくりの魅力
特集 匠がつくる「いい家」
ノウハウを学ぼう
プランを考えよう
家づくりのお金と法律
暮らしの役立ち情報
著名人が語る「私のこだわり空間」
暮らしのセンスアップ講座
女流建築家の提案プラン
ワガママ夢空間
住まいのお手入れ虎の巻
おすすめ快適goods

いい家ネットはSSL認証により、お客様の個人情報を保護しています。
そして、新しい可能性の発見
トステムのリフォームチェーン・ホームウェル
トステムのリフォームマジック
建物完成引渡保証制度
建築家とつくるデザイナーズ住宅でマイホーム
「いい家ネット」について ・個人情報保護方針 ・このサイトへのリンクについて ・住まいの関連リンク集 このページの上部へ
トステム株式会社
Copyright Since 2006 TOSTEM CORPORATION All rights reserved.