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生涯に何度もない家づくりのチャンス。
夢がふくらむ一方で、限られた敷地や資金面といった現実的な側面に気持ちがとらわれてしまうと、当初の夢や遊びごころなどの“ゆとり”を忘れてしまいがち。
今回は「遊びごころ」のある家づくりを考えます。 |
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夫(70代)、妻(50代)、息子(30代)という大人3人家族の住まいです。家族それぞれが仕事中心の忙しい生活を送っています。趣味のコレクションを飾り、楽しめるスペースを設けたいという思いが今回の家づくりのきっかけになりました。
最近の家づくりでは、家族の関係よりも個のスペースへの関心の方が語られる傾向のようですが、この家では、仕事や趣味のための個のスペースを充実させることと併せて、「家族の出会いの場」を設けたいというご要望もありました。そこで2階の一角に目的を限定しないコーナーを設け、「家族室」と名づけました。1日の終わりに、お風呂上りのビールなどを片手に団らんしたり、休日の日中には好きな本を手にしたり、コレクションの手入れをする場所として楽しまれています。このコーナーの上部には息子さんの趣味の天体望遠鏡が置かれているロフトがあり、夜になると何となく家族が集まってくるそうです。
また、敷地にゆとりのあるお宅なので地下室をつくる必要はなかったのですが、「地下のアトリエが夢だった」というご主人の念願を実現されました。
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2階の東南のコーナーに設けた家族室。ベランダ、サンルーム、天窓から光が差し込む陽だまりの場所。ロフトの上には息子さんの天体望遠鏡があります
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陶芸や絵画が趣味のご主人は「地下のアトリエ」が念願でした。玄関横の階段からそのまま地下へ降りていけるので、重い粘土や大きな絵画を搬入出するのにとても便利です。
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庭いじりや手仕事の大好きな夫妻の住まいです。建物の足元となる外溝には、隣家(母屋)の庭先と地続きとなるため、隣の庭の芝や土になじむ素材を選びたいとのご要望でした。
折り良く出入りの植木屋さんから枕木が入手でき、通路やデッキに設えることにしました。実際、枕木を手にしてみると、形状はさまざまで風格があり、傷あとや切り込み穴など1本1本が独特の表情を持っていました。枕木をすっかり気に入った建て主さんは、植木屋さんと共同で外溝にデッキや通路のほかにもオブジェ、スクリーン(目隠し)などを楽しみながらつくりあげました。完成後、枕木のオブジェは家づくりのモニュメント(記念物)として、またスクリーンやベンチは通行する人や訪問者に住まい手の遊びごころを伝える存在になっています。
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「建物の足元はコンクリートで固めずに、すべて土に戻せる素材で」という希望を実現した外溝。イラストは玄関の門扉に取り付けた枕木のベンチとオブジェ風のスクリーン(目隠し)。 |
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企業組合 花設計工房
1972年設立の東京パースを前身に、1988年、女性建築技術者の会を通して知り合った仲間たちにより、企業組合 花設計工房設立。以来、生活に視点を据えて、住宅設計を中心に大工さん、職人さんとのコミュニケーションを密にした現場監理を行っています。「家は買うものではない」でメンバーの意見一致。住み手に合わせて創るものであるはずだと考えています。
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| 原田愛子(はらだ・あいこ)/1949年山形県生まれ。工学院大学専修学校建築科卒業後、建築設計事務所勤務を経て、原田・堀越設計工房開設。その後、花設計工房に参画。女性建築技術者の会会員。 |
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